一年基準

一年基準について

一年基準（いちねんきじゅん）とは、企業の貸借対照表において、資産や負債を流動性に基づいて分類するための規則です。英語では「ワン・イヤー・ルール（one year rule）」と呼ばれ、企業会計において重要な役割を果たしています。この基準は、資産や負債が一年以内に現金化または支払いの対象となるか否かを判断し、流動資産および流動負債に区分するための助けとなります。

概要

一年基準では、貸借対照表日から起算して一年以内に入金または支払の期限が到来する項目は、流動資産または流動負債に分類されます。それに対して、期限が一年を超えるものは、投資その他の資産または固定負債にカテゴライズされます。これは、正常営業循環基準を補足するものであり、営業循環に基づく分類の後に適用されます。このため、このルールを適用することで、企業の資金繰りや財務状況をより明確に把握することが可能です。

適用対象

一年基準は以下の項目にも適用されます：

• - 経過勘定の前払費用
• - 貸付金、借入金
• - 差入保証金、受入保証金
• - 企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等
• - 定期預金などの期限が設定されている預金

これらの項目は流動性を持つものとして扱われ、企業の日常的な経済活動に密接に関連しています。

適用除外項目

一方で、流動資産や流動負債として扱われない項目もあります。主なものは以下の通りです：

• - 受取手形、売掛金、前払金、支払手形、買掛金、前受金など、企業の主な営業取引によって発生した債権や債務

- ただし、破産債権や更生債権のように、回収が見込めないものは固定資産として扱われる場合があります。

• - 経過勘定の未払費用、未収収益、前受収益
• - 商品、製品、半製品、原材料、仕掛品などの棚卸資産
• - 当座預金など、期限の設定がない預金
• - 固定資産として評価されるものは、企業がその営業目的を達成するために保有し、加工や売却の予定がない財貨です。

固定資産の扱い

特に、固定資産の中で残存耐用年数が一年以下のものは、流動資産とはされずに固定資産に分類されます。また、棚卸資産に関しては、恒常在庫や余剰品として長期間保有するものは流動資産に含まれず、別途固定資産として管理されます。

このように、一年基準は企業の資産および負債の流動性を評価し、貸借対照表を通じて確実で明確な財務状況を示すための基本的な指標の一つとされています。

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