一致派

一致派とは

一致派とは、日蓮門下の諸門流のうち、法華経の解釈において、二十八品（全章）を一体として捉えるグループを指します。これは、法華経を前半の「迹門」と後半の「本門」に分け、本門にこそ法華経の真髄があるとする勝劣派とは対照的な考え方です。

一致派の教義

日蓮系の宗派は、本仏（根本とする仏）を誰とするか、また、法華経に対する解釈の違いから、大きく三つのグループに分かれます。

本仏について

釈迦を本仏とするグループと、日蓮を本仏とするグループがあります。
さらに、釈迦を本仏とするグループは、法華経の解釈によって一致派と勝劣派に分かれます。

法華経の解釈

勝劣派：法華経を「迹門」と「本門」に分け、本門に法華経の真髄があるとします。
一致派：法華経の二十八品全体を一体のものとして捉え、区別しません。

日蓮宗一致派は、「釈迦を本仏とする一致派」に属する門流によって形成された宗派です。

一致派の門流

一致派には、以下の門流があります。

日昭門流（浜門流）
日向門流（身延門流）
日朗門流（比企谷門流）
日像門流（四条門流）- 日奥門流
日静門流（六条門流）
日常門流

これらの門流から、勝劣派の門流が分離していきました。

日蓮宗一致派の歴史

明治初期の宗派統合

1872年（明治5年）、明治政府は日蓮宗を含む各宗派に一宗一管長制を導入。これにより、日蓮門下の諸門流は「日蓮宗」としてまとめられましたが、初代管長は勝劣派から選出されました。

一致派と勝劣派の分裂

1874年（明治7年）、この制度が緩和されると、教義の違いから日蓮宗は一致派と勝劣派に分裂しました。

日蓮宗への改称

1876年（明治9年）、一致派は「日蓮宗」と改称しました。

三派合同と新生日蓮宗

1941年（昭和16年）、宗教団体法が施行されたことを受け、日蓮宗は勝劣派の2宗派（顕本法華宗、本門宗）と合同し、新生日蓮宗として再編されました。この合同は、勝劣の対立を超えた統一を目指すものでした。

現在の宗教法人・日蓮宗は、この三派合同によって成立したものです。その後の日蓮宗の発展については、関連する各宗派の情報を参照ください。

まとめ

一致派は、日蓮宗の中で、法華経の解釈において特有の立場を持つグループです。彼らは法華経全体を一体として捉え、勝劣派とは異なる思想を持っています。その歴史は、明治時代の宗派統合、分裂、そして再編の過程を経て、現在の日蓮宗に繋がっています。

関連項目

勝劣派
門流
日蓮宗
日蓮宗不受不施派（不受不施派）
* 不受不施日蓮講門宗（不受不施講門派）

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