七里半越

七里半越（しちりはんごえ）

七里半越は、福井県敦賀市と滋賀県高島市の境に位置する峠で、高さ383メートルの国道161号線上にあります。この峠は、様々な別名で知られており、地元では山中峠、愛発越、海津越と呼ばれています。それぞれの名前は、峠の性質や位置に基づいて名付けられていますが、七里半越という名称は、かつての街道の起点である敦賀市疋田から、峠道が平坦になる高島市マキノ町海津までの距離が約七里半（約30キロメートル）であったことに由来しています。また、この峠道自体は七里半街道とも称されることがあります。

古代には、愛発関が設置されており、この場所は歴史的な交通の要衝となっていました。現代においても、滋賀県湖西から福井県に向かう道として多くのドライバーに利用されていますが、その険しさから「難所」として知られている部分もあります。特に、滋賀県側の山麓には追坂峠があり、七里半越の一部として含まれています。このように、峠の中に別の峠が存在することは非常に珍しい構造です。また、高島トレイルの起点ともなっているため、自然用路としても訪れる価値があります。

道路状況

七里半越は車両通行が可能な峠であり、全長約30キロメートルにわたる山道が続いています。国内で最も長い峠の一つであり、片側一車線の舗装された道のため、運転が極端に難しいということはありません。さらに、急勾配の区間には登坂車線が設けられており、大型車両やトラックも問題なく通行できるようになっています。この峠は滋賀県湖西と福井県をつなぐ重要な路線であり、関西地方と北陸地方を結ぶ短いルートとして、交通の大動脈としての役割を果たしています。

積雪が多く厳しい気象条件にあるにも関わらず、山中スノーベースが峠の中腹に位置しているため、冬季でも通行が可能です。したがって、年間を通じて多くのドライバーに利用されています。しかし、北陸本線の下をくぐる疋田トンネルは、かつて幅が1.5車線ほどしかなく、対向車とのすれ違いが困難でした。1982年には、このトンネルでアセトンを積載したタンクローリーが事故を起こしたこともあります。

2003年度からは、疋田トンネルの代替として新疋田トンネルの新設を伴う愛発除雪拡幅事業が始まり、2015年には新トンネルが開通しました。この新設によって、大型車両の対面通行が可能になり、旧トンネルは歩道として活用されています。

隣接する峠

• - 新道野越
• - 深坂越
• - 黒河峠
• - 追坂峠（七里半越に含まれる）

峠付近の施設

• - 道の駅マキノ追坂峠
• - 国境高原スノーパーク
• - 新疋田駅
• - 山中スノーベース

接続道路

• - 国道8号
• - 国道303号（追坂峠区間重複）
• - 滋賀県道287号小荒路牧野沢線
• - 滋賀県道533号白谷野口線

七里半越は、その地理的な重要性に加えて、美しい自然環境と歴史的な道の魅力を併せ持つ峠として、訪れる人々に様々な体験を提供しています。

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