七類港

七類港の概要

七類港（しちるいこう）は、島根県松江市美保関町に存在する地方港湾で、運営は島根県が行っています。この港は、東に開いたコの字型の独特な地形を持ち、三方を山に囲まれています。こうした自然の恩恵により、冬季の強風にも耐えられる天然の良港となっており、古くから交易の拠点として発展してきました。

港の整備は1972年に始まり、以降は本土と隠岐諸島を結ぶ定期船の発着点として重要な機能を担っています。主要な施設には、フェリーが寄港するための岸壁が2つ、さらに高速船のための岸壁1つ、そして-5.0mの水深を持つ岸壁が3つ設けられています。

フェリーターミナル「メテオプラザ」

七類港の中心的な施設であるフェリーターミナルは、1995年に竣工した「メテオプラザ」と呼ばれる複合施設です。設計は島根県出身の建築家、高松伸によるもので、施工は竹中工務店が担当しました。総工費は約29億2600万円で、1994年8月に工事が開始され、1年後の1995年12月に完成しました。

メテオプラザは、訪れる人々に多様なサービスを提供する多目的施設です。1階にはフェリーターミナルが、2階にはリラックスルームと呼ばれるリラクゼーションスペースが設けられています。このリラックスルームは、特製のα波リラクゼーションマシーンを設置しています。さらに、3階には温水プールと浴場があり、温水プールには25メートル×4コースのプールと子供用プールが完備されています。また、赤外線サウナも設置されています。

4階には、美保関町に落下した隕石を展示するメテオミュージアムがあり、地元の歴史に触れることができる貴重な施設です。その他にも、500席を立席に持つ多目的ホールやレセプションルーム、会議室、さらにはレストランも併設されており、様々な目的に利用することができます。

沿革と航路

七類港は、その歴史を遡ると1951年には避難港としての指定を受け、1953年には港湾区域の認可を受けました。1972年には隠岐諸島とのフェリー航路が開設されてから、ますます重要性が増しています。新しいフェリーターミナルの完成により、利用者に便利なサービスが提供されるようになりました。

現在、隠岐汽船が隠岐諸島の島後島や島前各島へのフェリー及び高速船を運航しています。これにより、地域の人々や観光客は容易に島々へのアクセスが可能となっています。

交通アクセスと駐車問題

七類港への交通手段としては、路線バスが利用されています。一畑バスが松江駅と接続し、はつみ交通によるバスは境港駅へのアクセスを提供しています。さらに、港周辺には830台収容可能な無料駐車場が整備されていますが、特にお盆期間などのピーク時には繁忙の影響で満車になることがあります。これは、隠岐島在住者や赴任者の車両が長期駐車されていることや、放置車両が存在するためです。県では、これに対する対策として駐車場の整備を進めており、住民への注意喚起や公共交通機関の利用を呼びかけていますが、未だ根本的な解決には至っていない状況です。

以上から、七類港はその自然条件と歴史的背景、交通の便において自己の役割を果たし続けている重要な港です。

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