島前

島前（どうぜん）とは

島前は、島根県隠岐諸島の西側に位置する群島であり、有人島である中ノ島（海士町）、西ノ島（西ノ島町）、知夫里島（知夫村）の3島、いわゆる島前三島と、その周辺に点在する無人島で構成されています。島後の東側と対をなす地域です。

島前の成り立ち

島前三島は約500万年前の火山活動によって誕生しました。当時の海底火山「島前火山」（現在の焼火山が山頂であったと考えられています）の噴火によって隆起し、その後カルデラを形成しました。現在の島々は、その外輪山の名残であると考えられています。

島々に属する島

有人島
中ノ島（海士町）
西ノ島（西ノ島町）
知夫里島（知夫村）

無人島
中ノ島周辺：松島、小森島、二股島
西ノ島周辺：星神島、大柱島
知夫里島周辺：島津島、浅島、大波加島、小波加島、神島

島前の歴史

律令制下では、隠岐国に4つの郡が置かれました。そのうち、中ノ島は海士郡（海部郡とも表記）、西ノ島と知夫里島は知夫郡に属していました。

明治時代に入り、1889年の島嶼町村制施行により郡が廃止され、隠岐島庁の直轄地となりました。しかし、1904年に島嶼町村制が廃止されると、再び海士郡と知夫郡が復活し、本土と同様の制度下におかれることとなりました。

海士郡（1村）：海士村
知夫郡（3村）：浦郷村、黒木村、知夫村

その後、1946年に浦郷村が町制を施行して浦郷町となり、1957年には浦郷町と黒木村が合併して西ノ島町が誕生しました。1969年には海士村も町制を施行して海士町となり、同年、海士郡と知夫郡は島後の周吉郡・穏地郡と共に廃止され、隠岐郡へと統合されました。

交通アクセス

島前には空港がないため、最寄りの空港は島後の隠岐空港、または本土の米子鬼太郎空港、出雲縁結び空港となります。

海路では、隠岐汽船が島前と島後の西郷港、本土の七類港・境港を結ぶフェリーと高速船を運航しています。また、島前三島間は隠岐観光が運航する島前内航船（フェリーと高速船）が利用できます。

島内の交通手段としては、西ノ島では西ノ島町営バス、中ノ島では隠岐海士交通が路線バスを運行しています。ただし、知夫里島には路線バスはありません。

道路

国道485号（一部海上国道）
島根県道317号海士島線
島根県道318号日ノ津崎港線
島根県道319号西ノ島海士線
島根県道320号珍崎浦郷港線
島根県道322号知夫島線

行政

西ノ島町には、隠岐支庁の分庁舎である島前集合庁舎が設置されています。

医療

隠岐広域連合立隠岐島前病院が西ノ島町にありますが、医師は島根大学や鳥取大学からの派遣に依存しており、確保が難しい状況です。看護師についても同様の問題がありますが、病院スタッフが開設したブログを通じて4名の島外からの就職に繋がった事例が注目を集めています。

教育

高等学校は海士町の島根県立隠岐島前高等学校のみであるため、各町村の中学生の多くが同校に進学します。

警察

島前全域は島根県警浦郷警察署の管轄下にあり、海士町に2箇所、西ノ島町と知夫村にそれぞれ1箇所の駐在所が設置されています。

郵便・荷物

島根県ではなく鳥取県米子市の米子郵便局が管轄しており、鳥取県境港市と同じ郵便番号「684」地域となっています。

荷物は、ゆうパックの他にヤマト運輸の西ノ島宅急便センターが取り扱っています。

電話・インターネット

固定電話の市外局番は08514です。携帯電話は、NTTドコモとauがほぼ全域で利用可能ですが、ソフトバンクモバイルは港と集落の範囲に限られます。インターネットはFTTHによる常時接続が利用可能です。

放送

島前は、テレビ・ラジオともに鳥取・島根両県を対象とする山陰広域圏に含まれます。

テレビ放送：焼火山の西ノ島中継局から島前三島に向けて放送されています。西ノ島町・海士町にはケーブル[[テレビ]]も存在します。
ラジオ放送：AM放送の中継局はNHK松江・山陰放送（BSS）ともに設置されていません。FM放送はNHK-FMが西ノ島中継局を設置しているほか、FM山陰（V-air）は島後に中継局があり、島前でも受信可能です。

外部リンク

西ノ島町ホームページ
隠岐郡海士町オフィシャルサイト
* 知夫村役場

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