万国博中央口駅

万国博中央口駅

万国博中央口駅（ばんこくはくちゅうおうぐちえき）は、大阪府吹田市にかつて存在した北大阪急行電鉄会場線の駅です。この駅は1970年に大阪万国博覧会に訪れる観客のために設けられ、博覧会開会のわずか数ヶ月前の2月24日に開業しました。

開業と構造

駅は江坂駅から約9.0 km、特に南北線の分岐点からは3.6 kmの地点に位置し、観客輸送のために直接会場中央口と接続する形で設計されていました。駅舎は橋上式で、近接する会場にも便利にアクセスできた点が特徴です。

営業期間

万国博は1970年から6ヶ月間にわたり開催されたため、この駅もその間のみ営業していました。残念ながら、万博が終了した際の9月14日には営業を終了し、同年12月には駅施設の撤去も完了しました。

跡地の変遷

元々の駅は中国自動車道の上り線用地内に設置されており、現在ではその跡地は桃山台駅からの地上線路が中国自動車道に転用されています。駅のホームや構造物は解体され、今では中国吹田インターチェンジの上り線料金所がその跡地を占めています。

駅の構造と自動券売機

万国博中央口駅は、島式ホームを持ち、2線のレールが敷かれていました。終端側には引き上げ線が2本ありました。千里中央側には両渡りポイントが設けられていましたが、通常は2番線が降車専用、1番線が乗車専用として用いられていました。この駅には高見沢電機製作所（現在の高見沢サイバネティックス）によって製造された多能式自動券売機が50台設置され、駅が閉鎖された後もこれらの券売機は公衆浴場で使用されていたと言われています。その後、これらは高見沢サイバネティックスによって引き取り、保存され、2011年には機械遺産として認定されました。

文化的な影響

この駅は、映画『家族』に登場します。この作品は山田洋次監督によって制作されたもので、主人公たちが大阪万博を訪れるシーンに万国博中央口駅が描かれています。かつての駅が文化の一端を担っていたことを示しています。

料金

万国博中央口駅の運賃は、新大阪駅まで100円、淀屋橋駅からなんば駅までは120円、地下鉄4区は260円でした。また、当時の地下鉄1区は30円で、これには当駅利用者にとって重要な役割を果たしました。

隣接駅

万国博中央口駅の隣には仮設駅としての千里中央駅が存在しました。

関連事項

万国博中央口駅は日本の鉄道駅一覧や大阪万博の交通に関する情報としても語られています。また、万博記念公園という名の公園が大阪万博の跡地に整備され、その付近には現在の大阪モノレール本線、彩都線の万博記念公園駅も存在します。このように、万国博中央口駅は多くの歴史的文脈を持ち、重要な役割を果たしていました。

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