万延元年遣米使節

万延元年遣米使節

万延元年遣米使節（まんえんがんねんけんべいしせつ）は、1860年に江戸幕府によって派遣された77名から成る使節団です。この使節団の主な目的は、日米修好通商条約の批准書の交換を行うことでした。1860年、ガナエ号を用いてアメリカへ向かうこの使節は、日本人として2度目の世界一周の旅を果たした公式訪問団となります。

背景

日本とアメリカの交渉は、1854年に締結された日米和親条約から始まりました。続いて1858年のレシプロ市における日米修好通商条約の締結があり、この条約の批准書交換がアメリカのワシントンで行われることとなりました。幕府は、当時の条約交渉の中心人物であった岩瀬忠震の提案を受けて、使節団の派遣を決定しました。

使節団の長には、新見正興が任命され、副使には村垣範正が名を連ねました。正使の新見は、禄高の面でもより高い評価を受けていたため、指導的立場を取ります。途中、護衛目的で軍艦咸臨丸も派遣され、指揮官には木村喜毅が任命されました。この時、通訳として有名な中浜万次郎（ジョン万次郎）が選ばれ、彼もまた日本のアメリカにおける重要な役割を担いました。

旅程

使節団は1860年2月9日に品川沖で出発し、サンフランシスコに向かいます。太平洋横断中、彼らは悪天候に見舞われ、補給のためホノルルに立ち寄ります。ハワイ滞在中、彼らはカメハメハ4世に拝謁し、その後サンフランシスコに到着しました。

サンフランシスコでは約9日間滞在し、様々な人々と交流し、また現地の文化や技術を学ぶことができました。その後、パナマを経由し、ワシントンに至る旅を続けました。ワシントンに到達した使節団は、ブキャナン大統領と直接会見し、批准書を正式に交換します。この一件は、日本とアメリカの外交関係のさらなる発展の一環として重要な意味を持つものです。

その後フィラデルフィアやニューヨークにも訪問し、両都市で数々の文化交流を行いました。特にニューヨークでは盛大な歓迎を受け、市民の関心を集めることとなります。この際、使節団は現地の人々と親しみを深め、また日本の文化や習慣の紹介にも努めました。

帰国と成果

ニューヨークからの帰国の道中、使節団は多くの国々を経由しながらようやく日本に帰り着きました。この expedition は、日本の外交や通商政策の変化に大きく寄与し、特に通貨交換比率の交渉は、今後の国際的な経済関係においても重要な意味を持ちました。

万延元年遣米使節団の経験は、その後の日本の国際化のための礎となり、この旅が日本の開国を進める大きな一歩となったことは間違いありません。彼らが持ち帰った知識と経験は、日本社会に対し多大な影響を与え、その後の近代化の波に繋がっていくのです。

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