三ッ井卯三男

三ッ井卯三男（みつい うさお）は、1903年3月8日に生まれ、1977年に生涯を閉じた日本の政治家です。彼は第16代鹿児島市長として、その手腕を発揮しました。

生い立ちと教育
長野県飯山市で生を受けた三ッ井は、東京高等商業学校（現在の一橋大学）選科を修了後、九州帝国大学法文学部を卒業しました。教育者としての道を歩み始め、長野、山形、福岡の各県で中学校教師として教鞭を執りました。

行政官としてのキャリア
1938年、三ッ井は福岡県庁に入庁し、社会教育、振興、厚生の各課長を歴任。1943年には海軍司政官に任官されました。終戦後、1947年に福岡県秘書課長から鹿児島県庁に移り、教育部長、総務部長、そして副知事という要職を歴任しました。これらの経験は、彼の行政手腕を磨き、後の市長としての活動に大いに役立つことになります。

鹿児島市長としての活動
1959年の鹿児島市長選挙に保守系候補として出馬しましたが、革新系の平瀬實武に敗れました。しかし、4年後の1963年の市長選で再び平瀬に挑み、前回と同じく保革対決となりました。激戦の末、三ッ井は現職の平瀬を破り、市長の座を射止めました。

市長在任中、三ッ井は市内の深刻な住宅不足を解消するため、鹿児島開発事業団を発足させ、自ら理事長に就任しました。その他にも、市役所別館の設置、機械式ゴミ焼却炉や堆肥処理施設、屎尿処理場の開設など、都市基盤の整備に尽力しました。さらに、谷山市との合併を積極的に推進し、1967年4月、両市は合併を果たしました。この合併は、後の鹿児島市の発展に大きく貢献しました。

市長退任後
両市の合併に伴い行われた市長選挙で、三ッ井は元社会党県議の末吉利雄に敗れ、市長の座を退きました。

親族
三ッ井の長男である三ツ井康は、フジテレビ副社長、扶桑社、共同テレビ社長を歴任し、メディア業界で活躍しました。

参考文献
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長 市制施行百年の歩み』第3巻、歴代知事編纂会、1985年5月。
鹿児島市『鹿児島市史第2巻』鹿児島市、1970年。http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/kagoshima-03.html。

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