三ノ塔

三ノ塔（さんのとう）

三ノ塔は、標高1,204.8mを誇り、神奈川県秦野市に位置する丹沢山地の一部です。この山は、丹沢山地の南東部に広がるヤビツ峠から塔ノ岳へ続く表尾根のちょうど真ん中に佇んでいます。周囲には子山が連なり、これらの山々は丹沢大山国定公園に指定されています。登山者にとって、三ノ塔はその美しい眺望から特に人気のあるスポットです。

概要

三ノ塔の山頂は、南北に伸びた形状をしており、木々が少ないため視界が開けています。山頂からは、大山や相模湾、そして美しい富士山をはじめとする周囲の山々の景観を一望できます。また、塔ノ岳へと続く長い表尾根もその全貌を見渡すことができるのが魅力です。山頂からは四方に尾根が広がっており、南東へは二ノ塔、菩提峠を経て岳ノ台、さらにヤビツ峠へと伸びています。北西側には、烏尾山、行者岳、新大日へと続く尾根があり、塔ノ岳へと続いています。さらに、北東側はよもぎ尾根が札掛集落方面まで伸びており、南西側にある三ノ塔尾根は大倉へと下っています。

そのため、三ノ塔は自然の中で心洗われるような素晴らしいハイキング体験を提供してくれる場所でもあります。特に、南山麓からそびえ立つことから「菩提山」とも呼ばれています。また、北麓の札掛方面では、近くを流れる藤熊川の支流である水沢があり、ここからも「水沢ノ頭」と名称がつけられています。

登山情報

三ノ塔へのアクセスは、秦野駅からバスでヤビツ峠まで行き、そこからの登山が一般的です。このルートでは、登りに約1時間40分、下りには1時間20分ほどの所要時間です。また、渋沢駅からバスで大倉へ行く方法もあり、こちらは登りに約3時間、下りには2時間の行程です。塔ノ岳へのルートを利用する場合、登りには約2時間25分、下りには1時間55分がかかります。

三ノ塔休憩所

三ノ塔の山頂には、無人の休憩所である三ノ塔休憩所があります。この小屋は表尾根で唯一の無人小屋で、内部は土間になっており、テーブルやベンチが設置されています。この休憩所は登山者が休息を取るための貴重なスペースとして利用されています。近隣の山小屋では、烏尾山にある烏尾山荘や、塔ノ岳の尊仏山荘が通年営業を行っている一方で、多くの山小屋は週末限定で営業しています。かつて存在した富士見山荘は、2012年の火災で全焼する惨事に見舞われました。

山名の由来

三ノ塔と隣接する二ノ塔は、横野（よこの）にある加羅古神社に伝わる伝承が由来となっています。昔、横野の山に夜になると光るものが現れ、村人が山を登ると天空に神燈が灯っていたと言われています。神童が現れ、村人へ神像を渡す場面があり、その後に加羅古神社が建立されました。この神燈が灯った場所が一番目とされ、その後二番目、三番目がそれぞれ二ノ塔、三ノ塔として名付けられ、時が経つにつれて「燈」が「塔」と変わっていった歴史を持っています。

まとめ

三ノ塔は、自然の魅力を満喫できる登山スポットであり、その景色は訪れる人々にとって素晴らしい思い出となることでしょう。周辺の山々や神社との結びつきが深く、歴史的な魅力を兼ね備えたこの山は、多くの登山者と観光客を惹きつけています。

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