三上次男

三上 次男の生涯と業績

三上 次男（みかみ つぎお）は1907年3月31日に京都府宮津町で誕生し、1987年6月6日に逝去した日本の東洋学者および考古学者です。彼は日本学士院の会員であり、東京大学の名誉教授でもあります。さらに、出光美術館の理事および中近東文化センターの理事長を務め、その研究と教育において多大な功績を残しました。号は「白水子」として知られています。

彼の研究分野は広範にわたり、特に東洋史、特に東北アジア史や騎馬民族国家の研究において著名でした。また、陶磁器の歴史にも深い知識を持ち、東西の文化交流を題材にした研究において「陶磁貿易史」を開拓した専門家でもあります。特に、海のシルクロードに関する研究が評価されました。

幼少期と学問の道

三上次男は、北前船の運営に関与していた三上家の一員として生まれました。幼少期を京都府宮津町で過ごし、5年生の時に家族と共に北海道に移住します。1932年には東京帝国大学文学部東洋史学科を卒業し、その後、東亜考古学会の留学生として戦前の中国で考古学を学びました。1939年には東京大学文学部の講師に就任し、1949年には教授に昇進します。

教育とさらなるキャリア

彼は教育分野でも活躍し、鎌倉アカデミアでの講義や東宮家の東洋史教師としての勤務を行いました。また、世界史教科書の編纂にも関わり、その教育実績は多岐にわたります。1967年には東京大学から退官し、名誉教授の称号を得てからは青山学院大学で教鞭をとります（1977年まで）。

さらに、1986年には日本初のトルコ古代遺跡発掘隊の隊長を務め、多くの遺跡調査を行いました。彼の研究や活動は日本の東洋学の発展に貢献し、また、国際的な文化交流を促進する役割も果たしました。

主な功績と受賞歴

三上次男は、その業績が評価され、多くの賞を受賞しました。1969年には『陶磁の道』で毎日出版文化賞、1974年には『金史研究』で日本学士院恩賜賞を受賞します。そして1986年には日本学士院会員に選出され、学術的な業績が広く認められました。

彼は1950年代以降、エジプトやイランなどの地域での陶磁器に関する発掘調査を行い、出土した窯跡の検証や資料収集を行いました。著作の多くは図版解説を中心に構成され、視覚的な側面からも研究成果を伝えました。著書には『陶磁の道』『ペルシアの陶器』『金史研究』などがあり、彼の専門性を示す重要な資料となっています。

最後の年々と遺産

三上は1987年に逝去し、その墓は鎌倉の東慶寺にあり、出光美術館の初代館長である出光佐三や、鎌倉アカデミアの同僚たちと共に眠っています。彼の残した研究成果や著作は、今なお多くの人々に読まれ、東洋学の発展に寄与しています。その業績は次世代の研究者たちに引き継がれ、研究のベースラインとなっています。

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