三原浅野家

三原浅野家の歴史について

三原浅野家（みはらあさのけ）は、浅野氏の庶流にあたる武士階級であり、士族、さらには華族としての歴史を持つ家系です。この一族の起源は、浅野長勝の兄である長忠の子、忠吉にさかのぼります。忠吉は、浅野幸長の家老として仕官し、幸長の紀伊国和歌山藩への転封に伴い、新宮で合計28,000石の所領を受け持つこととなりました。

さらに、元和5年（1619年）に幸長の子である浅野長晟が安芸国広島藩に転封された際、三原浅野家は備後国御調郡三原において30,000石を領有する地位を確立しました。こうして、幕末から明治維新にかけて、三原浅野家は代々広島藩の家老として、安定した地位を保ち続けました。

明治維新の後、三原浅野家は一時士族として位置づけられましたが、1884年に実施された華族令による叙爵制度の整備に伴い、男爵への帰属の可能性が浮上しました。しかし、旧万石以上の陪臣に対する授爵が対象外となったため、この時期においては三原浅野家は士族の称号を名乗ることが続きました。

また、明治15年から16年頃に作成された『三条家文書』には、当時の当主である浅野哲吉の情報が記されています。彼の旧禄高は30,000石で、所有財産については記載がなく、職業は無職、経済状況は「負債多の由」とされていました。しかし、経済状態が回復したことから、1900年5月9日に旧万石以上の陪臣が華族として認められる際、哲吉は男爵に叙せられ名誉を得ることができました。

その後、養子の忠允（戸田康保子爵の子）の代において、三原浅野男爵家は広島県広島市の吉島羽衣町に本邸を据え、東京にも世田谷区下馬町に借家を持っていました。これにより、三原浅野家は広島を拠点としながらも、東京にもその名を刻む存在となりました。

参考文献

以下の書籍では、三原浅野家の詳細な歴史や背景をより深く理解することができます。

• - 阿部猛、西村圭子『戦国人名事典 コンパクト版』新人物往来社、1990年（平成2年）　ISBN 978-4404017529
• - 華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター〈日本人物誌叢書7〉、1990年（平成2年）　ISBN 978-4820540342
• - 松田敬之『〈華族爵位〉請願人名辞典』吉川弘文館、2015年（平成27年）　ISBN 978-4642014724

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