三国駅 (福井県)

三国駅：歴史と魅力あふれるえちぜん鉄道の駅

福井県坂井市三国町北本町に位置する三国駅は、えちぜん鉄道三国芦原線沿線にある歴史深い駅です。駅番号はE43。1911年、鉄道院三国線の駅として開業して以来、幾多の変遷を経て、現在も地域住民や観光客の重要な交通拠点として機能しています。

三国駅の歩み：激動の時代を乗り越えて

三国駅の物語は1911年12月15日に始まります。鉄道院三国線の駅として開業した三国駅は、当初は一般駅として運行していました。翌年には三国港荷扱所が開設され、貨物輸送も盛んに行われるようになりました。1914年には三国港駅として分離され、旅客営業は臨時運行となりましたが、1927年には三国駅と三国港駅間で通年旅客営業が開始、再び一般駅として機能するようになりました。

その後、1929年には三国芦原電鉄三国町駅が開業し、1942年には京福電気鉄道に合併、三国芦原線の一部となりました。太平洋戦争中の1944年には、一部区間が休止となるなど、激動の時代を経験します。しかしながら、1946年には国鉄三国線の金津-芦原間が営業再開し、京福電気鉄道と国鉄の相互乗り入れが行われるようになるなど、着実に発展を遂げていきます。

1970年には列車交換設備や貨物取扱が廃止となり、1972年には国鉄三国線が廃止、日本国有鉄道の三国駅も廃止となりました。しかしながら、京福電気鉄道による三国芦原線は存続、1982年には駅舎が京福三国ビルに移転、新たなスタートを切りました。2001年の越前本線事故による営業休止を経て、2003年にはえちぜん鉄道の駅として営業を再開。2017年には駅舎建て替え工事が行われ、2018年には現在の木造平屋建て一部鉄筋コンクリート造りの新駅舎が完成しました。

駅構造と周辺環境：現代的な施設と歴史的景観

現在の三国駅は、1面1線の単式ホームを有する地上駅です。約484平方メートルの駅舎は、木造と鉄筋コンクリート造りの落ち着いた雰囲気で、駅事務室や待合所の他に、観光案内所、観光地域情報発信室、テナント店舗も併設されています。

駅周辺は、歴史ある旧市街地が広がり、神社仏閣が点在しています。急な坂道があることから、駅前から裏側へは歩道橋が整備されています。周辺には、瀧谷寺、坂井市龍翔博物館、みくに文化未来館などの観光地や、坂井市立三国北小学校、福井県立三国高等学校などの教育施設、三国郵便局、三国図書館などの公共施設も立地しています。

アクセスと周辺情報：観光の拠点として

三国駅へは、えちぜん鉄道三国芦原線が乗り入れています。隣の駅は、三国神社駅と三国港駅です。快速列車（上り）と普通列車が運行されています。駅周辺にはバス路線も充実しており、高速バス（土日祝日運行）や京福バスが利用可能です。高速バスは、名古屋駅方面へのアクセスを提供しています。

参考文献

寺田裕一『日本のローカル私鉄2000』ネコ・パブリッシング、2000年8月1日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
* 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日

まとめ

三国駅は、長い歴史と多くの変化を経て、現在も地域の重要な交通拠点として、そして観光の玄関口として機能しています。歴史的な背景と、現代的な設備を兼ね備えた三国駅は、福井観光の拠点として最適な場所です。

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