三園浄水場

三園浄水場について

三園浄水場は、東京都板橋区三園に位置する重要な浄水施設です。この施設は東京都水道局によって運営されており、一部の敷地は埼玉県和光市にもまたがっています。1971年に工業用水道の通水が開始され、1975年には上水道の供給が始まりました。浄水場では、利根川水系の荒川から引き込まれた表流水が主な原水として利用されています。

原水の供給と浄水過程

原水は荒川にある秋ヶ瀬取水堰から取水され、朝霞水路を通じて沈砂池を経て三園導水ポンプ所へと運ばれます。この導水ポンプ所では、立軸片吸込渦巻ポンプが使用され、圧送された原水は導水管を通じて三園浄水場へと届けられます。ここでは、原水が各種の浄水工程を経て、最終的に練馬区と板橋区の給水所へ供給されます。

三園導水ポンプ所

この施設は特に原水の変動に対応した設計がなされています。ポンプから導水された原水は、デュアル仕様の原水渠を通じて、浄水場の着水井に到達します。この着水井は、上水用と工水用の2つの区画に分かれており、それぞれ特定の機能を持っています。

浄水プロセスの各段階

浄水は、急速かくはん池、フロック形成池、薬品沈殿池、急速ろ過池など、いくつかの段階からなります。急速かくはん池では、無機凝集剤が注入され、原水が急速に混合されます。これにより、微細なフロックが形成されます。

フロック形成と沈殿

フロック形成池では、形成されたフロックが大きくなり、重くなるまで徐々にかくはんされます。その後は、ウノ式傾斜板沈降装置を使用した薬品沈殿池で沈殿処理が行われます。これにより、沈殿したフロックが効率よく排出され、清浄な水が得られます。

急速ろ過

最後に、急速ろ過池で水が厳密にろ過されます。この工程では、荏原製作所製の GLF（グリンリーフフィルター）が使用され、最適化された洗浄システムによってろ過水が清浄化されます。これにより、クリプトスポリジウムなどの微生物による影響を防ぎながら、安心して使用できる水が提供されます。

アクセス情報

三園浄水場へのアクセスは、鉄道やバスを利用するのが便利です。都営三田線の西高島平駅からは徒歩7分ほどで到着します。また、東武東上本線成増駅や東京メトロ有楽町線の地下鉄成増駅からもバスが運行しており、各種系統を利用して簡単にアクセスできます。

このように、三園浄水場は複雑かつ効率的な浄水プロセスを通じて東京都民に安全な水を供給している施設です。

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