三好康之 (陸軍軍人)

三好康之

三好康之（みよし やすゆき）は、1898年（明治31年）に生まれ、1989年（平成元年）に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍少将です。

生い立ちと初期の軍歴

広島県出身で、広島地裁判事の父、三好康親の息子として生まれました。広島高等師範学校附属中学校（現在の広島大学附属中学校・高等学校）を卒業後、1919年（大正8年）5月に陸軍士官学校（31期）を卒業。同年12月には歩兵少尉に任官し、歩兵第42連隊に配属されました。1922年（大正11年）12月には歩兵中尉に昇進しています。

航空分野への転身

1923年（大正12年）2月から10月にかけて陸軍航空学校で操縦学生として学び、同年11月には飛行第3大隊に配属されました。1925年（大正14年）5月には兵科を航空兵に転科し、航空兵中尉に任官、飛行第3連隊に配属されました。その後、所沢陸軍飛行学校教官に就任し、後進の育成に尽力しました。

陸軍大学校と参謀本部

1930年（昭和5年）11月には陸軍大学校（42期）を卒業し、飛行第1連隊中隊長に就任。1931年（昭和6年）12月には参謀本部付勤務となり、参謀本部員を務めました。1934年（昭和9年）8月には航空兵少佐に昇進。1935年（昭和10年）3月にはアメリカ大使館付武官補佐官に発令され、海外での勤務も経験しました。

中堅将校としての活躍

1936年（昭和11年）8月には浜松陸軍飛行学校教官に転じ、その後再び参謀本部員を経て、1937年（昭和12年）11月には航空兵中佐に進み、大本営参謀に就任しました。1938年（昭和13年）3月には関東軍参謀に転じ、1939年（昭和14年）8月には航空兵大佐に昇進し、航空兵団参謀となりました。

太平洋戦争と終戦

1940年（昭和15年）8月には陸大教官に転じ、陸大研究主事を経て、1942年（昭和17年）3月には第5飛行集団参謀長に発令され、太平洋戦争に出征しました。翌月、組織改編により第5飛行師団参謀長となっています。1943年（昭和18年）8月には陸軍少将に進級し、明野陸軍飛行学校水戸分校長に発令され帰国。分校の組織改編により1944年（昭和19年）6月には常陸教導飛行師団長に就任。同年9月には第12飛行師団長心得に転じ、1945年（昭和20年）5月には第30戦闘飛行集団長に発令され、熊本で本土決戦に備える中で終戦を迎えました。同年9月には中部軍管区参謀副長に就任し、同年11月に復員。

戦後

1945年（昭和20年）9月から1946年（昭和21年）2月まで、三好機関長として京都に駐在しました。1947年（昭和22年）11月28日には公職追放仮指定を受けています。

著作

戦後、三好は自らの歴史観をまとめた著作『歴史の思想体系とその教訓 : 一軍人の歴史観』を1978年に発表しました。この著作は上下巻にわたり、彼の思想や歴史観を深く理解する上で重要な資料となっています。

親族

兄に海軍機関大佐の三好康方がいます。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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