三宅昇

三宅 昇

三宅 昇（みやけ のぼる）氏は、1946年5月5日に兵庫県で生まれ、1996年に逝去した日本の元プロ野球選手です。現役時代は主に外野手としてプレーしました。その経歴は、学生野球、社会人野球、そしてプロ野球と多岐にわたります。

アマチュア時代

兵庫県の名門、報徳学園高校に進学した三宅氏は、1964年に右翼手として春の選抜高等学校野球大会に出場しました。この大会では、1回戦で北角富士雄選手を擁する東邦高校と対戦し、劇的な9回裏サヨナラ勝利を収めます。しかし、続く2回戦では、この年の大会で優勝を飾ることになる徳島海南高校のエース、尾崎将司投手の前に完封負けを喫し、大会を終えました。同年夏の全国高等学校野球選手権大会の兵庫県予選では、準決勝で育英高校の絶対的エースであった鈴木啓示投手（のちに近鉄バファローズで活躍）に抑えられ、甲子園出場は叶いませんでした。高校時代の同期には、後にプロ入りする基満男選手（西鉄/太平洋クラブ/クラウン/大洋）や水沼四郎選手（広島）がおり、1年下には谷村智博投手（阪神）が控え投手として在籍していました。

高校卒業後、同期の水沼選手とともに中央大学へ進学しました。東都大学野球リーグでは、早くから頭角を現し、1965年秋季リーグでは外野手としてベストナインに選出される活躍を見せます。1967年春季リーグでは、エース宮本幸信投手（のちに東映/日拓/日本ハム）の好投もあり、チームは優勝を果たしました。さらに、同年開催された全日本大学野球選手権大会でも快進撃を続け、決勝では藤原真選手を擁する慶應義塾大学を破り、中央大学として初の優勝という歴史的な快挙を成し遂げました。大学野球で輝かしい実績を残した後、社会人野球の強豪である西濃運輸に入社。ここでも中心選手として活躍し、1969年から2年連続で都市対抗野球大会に出場するなど、実業団チームにおいてもその実力を発揮しました。

プロ野球時代

社会人野球での実績が評価され、1970年のNPBドラフト会議において、阪急ブレーブスから9位指名を受けプロ入りの機会を得ました。卓越した俊足の持ち主であり、ベース一周を14秒3で駆け抜けるスピードは大きな武器でした。しかし、当時の阪急ブレーブスは、福本豊選手、長池徳士選手、大熊忠義選手ら実力派の外野手が揃っており、選手層が非常に厚いチームでした。このため、三宅氏がレギュラーポジションを獲得するのは容易ではなく、プロ入り後は残念ながらあまり多くの出場機会を得ることはできませんでした。

プロ入り後の背番号は、1971年から1972年までは「5」を着用し、1973年シーズンには「44」に変更されました。しかし、状況が大きく変わることはなく、プロ野球選手としての活動期間は短く、1973年シーズン終了をもって現役を引退することを決断しました。

プロでのキャリアは短かったものの、高校、大学、社会人野球と、各年代でトップレベルの舞台を経験し、特に大学時代には全国優勝を果たすなど、輝かしいアマチュア野球経歴を持つ選手でした。

背番号

5（1971年 - 1972年）
44（1973年）

関連項目

兵庫県出身の人物一覧
中央大学の人物一覧
オリックス・バファローズの選手一覧（阪急ブレーブスの後身球団）
宮井勝成（中央大学硬式野球部時代の監督）

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