三所攻め

三所攻め（みところぜめ）

三所攻めは、大相撲における珍しい決まり手の一つです。相手の体における三つの箇所を同時に攻撃することで、体勢を崩し、最終的に倒すという高度な技術を要します。

具体的な技の解説

三所攻めは、以下の手順で行われます。

1. 片足への外掛けまたは内掛け: まず、相手の片方の足を外掛け、または内掛けで固定し、動きを制限します。
2. もう片方の足の掬い: 次に、もう片方の足を手で掬い上げ、相手の重心を不安定にします。
3. 胸への頭押し: 最後に、相手の胸を頭で押し込み、全体的なバランスを崩して倒します。

これらの三つの動作を同時に行うため、「三所攻め」という名前が付けられました。この技は、力士の高度な技術と、相手の体勢を瞬時に見抜く判断力が必要とされます。

幕内での珍しさ

三所攻めは、非常に珍しい決まり手として知られています。平成以降の幕内における成功例は、以下の3例のみです。

1992年9月場所: 前頭6枚目 舞の海が前頭3枚目 琴富士に勝利
1993年9月場所: 前頭14枚目 舞の海が前頭13枚目 巴富士に勝利
2019年11月場所: 前頭11枚目 石浦が前頭14枚目 錦木に勝利

舞の海は、この難易度の高い技を2度も成功させており、特筆に値します。また、記録上は認定されていませんが、1991年11月場所では前頭9枚目で前頭筆頭の曙に仕掛けたという記録も残っています。

相撲以外の用法

三所攻めは、相撲の決まり手としての意味合いから転じて、比喩的な表現としても用いられることがあります。例えば、複数の場所から同時に攻撃を仕掛ける状況や、ある対象に対して三つの異なる側面から同時にアプローチする戦略などを指して「三所攻め」と表現することがあります。

腕相撲における三所攻め

相撲だけでなく、腕相撲にも同じ名前の技が存在します。具体的な内容は不明ですが、腕相撲においても、相手の体勢を崩すために複数の箇所を同時に攻める技術であると考えられます。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
外掛け
* 内掛け

もう一度検索