三日市地区 (河内長野市)

三日市地区の概要

三日市地区は、大阪府河内長野市の中央部に位置する地域です。旧南河内郡三日市村の大部分とその周辺地域を含みます。この地域は、歴史的な背景と現代的な開発が混在する、多様な顔を持っています。

歴史

三日市は、かつて高野山への参詣客で賑わう宿場町として栄えました。明治時代には錦渓温泉が開業し、その影響で人口が急増し、一時的に周辺地域を凌ぐほどの発展を見せました。しかし、高野登山鉄道（現・南海高野線）の延伸に伴い、観光客が減少して衰退しました。

その後、大規模なニュータウン開発が行われ、人口が再び増加し、駅周辺の再開発も進みました。一方で、高野街道沿いには歴史的な建造物も残っており、市民による保存活動が行われています。

三日市村時代

1889年4月1日に町村制が施行され、上田村、片添村、喜多村、小塩村、三日市村の区域が合併して三日市村が誕生しました。村役場は現在の北三日市第二集会所に置かれました。

1914年10月21日には、高野登山鉄道の三日市町駅が開業しました。

1954年4月1日には、長野町、高向村、加賀田村、天見村、川上村と合併し、河内長野市の一部となりました。

河内長野市制施行以降

1970年代から小規模ニュータウンの開発が始まりました（大師町や日東町など）。

1977年7月25日、河内長野郵便局が本町から喜多町に移転しました。

1989年12月には、国道371号バイパス（大阪河内長野線）の上原町-石仏間が開通しました。

2005年7月29日、再開発事業の中核施設としてフォレスト三日市が開業しました。

地理

三日市地区は河内長野市の中央に位置し、国道371号の旧道（高野街道）が地区を縦断しています。西側には国道371号バイパスが通り、旧道の東側には南海高野線が並行して走っています。地域の中心には三日市町駅があります。

河川

天見川
石見川

地域

三日市町

旧三日市村の中心部で、地名の由来は毎月3日に市が立っていたことによります。駅の西側には古くからの商業地域が広がり、駅前にはフォレスト三日市を中心とした駅ターミナルがあります。東側には小規模なニュータウンが広がっています。駅北側には、宿場町の歴史的な町並みが残っています。

主な施設：三日市町駅、河内長野警察署三日市交番、高野街道、旧三日市交番・八木家住宅、三日市町会館、三日市公民館、三日市郵便局、フォレスト三日市、JA大阪南三日市支店、アズヘアー、真教寺

喜多町

旧喜多村にあたり、上田村の北に位置することから名付けられました。河内長野駅が最寄り駅であり、長野地域とのつながりが強いです。南西の丘陵にある烏帽子形城址は、高野街道の交通の要衝であり、国の史跡に指定されています。国道371号沿いには商店が並び、住宅地は石川沿いや南海高野線東側に広がっています。

主な施設：喜多町会館、烏帽子形城（烏帽子形公園）、烏帽子形八幡神社、河内長野郵便局、大日寺跡

上田町

旧上田村の大部分にあたり、かつては三日市村と並んで中心的な役割を果たしていました。江戸中期には寺子屋や共同墓地が設けられ、街道沿いには商業施設がありました。近年、楠ケ丘団地に隣接して住宅地が開発されました。

主な施設：増幅寺、河内長野市立三日市小学校、府営河内長野三日市住宅

楠ケ丘

1967年から開発された小規模ニュータウンで、住所表記は2003年に制定されました。一部未開発の土地が残っており、耕作地のために道路が寸断されている箇所もあります。西側は国道371号バイパスに接続し、東側は上田町や三日市町駅に繋がっています。

小塩町

旧小塩村にあたり、潮泉があったことが地名の由来です。東端は加賀田川、南端は国道371号バイパスに接しており、古くからの集落の雰囲気を残す住宅地が広がっています。1970年代には西側の山手が南花台の一部として開発されました。

西片添町、中片添町、東片添町

旧片添村にあたり、1993年に住所表記が制定されました。西片添町は宿場町の面影を残す商業施設が並び、東片添町は古い集落の雰囲気を残しています。中片添町は再整備され、整った住宅街になっています。三日市町駅に近く、国道371号沿いには商業施設が集中しています。

主な施設：三日市浄水場

大師町

1970年代に大末住宅団地として開発された小規模ニュータウンで、住所表記は1972年に制定されました。河内長野駅と三日市町駅のどちらも利用可能ですが、路線バスは河内長野駅とのみ結ばれています。

主な施設：河内長野市立大師総合運動場、河内長野市立市民総合体育館、河内長野市立大師庭球場

日東町

1970年代に日生住宅三日市団地として開発された小規模ニュータウンで、住所表記は1972年に制定されました。三日市町駅が近いですが、路線バスは河内長野駅とのみ結ばれています。

主な施設：河内長野市立東中学校

清見台

1980年代に開発された中規模ニュータウンで、住所表記は1984年に制定されました。生駒山からの電波が届きにくいため、中継局が設置されています。清見台第一公園からは河内長野市北部や大阪狭山市を一望できます。

主な施設：河内長野市立川上小学校、河内長野清見台中継局、サニータウン長野清見台

交通

鉄道

南海電気鉄道：高野線 三日市町駅

主な道路

国道371号（高野街道）
国道371号バイパス（大阪河内長野線）
府道209号東阪三日市線
府道214号河内長野千早城跡線

脚注・出典

参考文献
楠原佑介『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。ISBN 4-490-10280-1。
町名一覧表 - 河内長野市

関連項目

大阪府の廃止市町村一覧
河内長野市のニュータウン
千早川水力電気 - 地域に初めて電気を供給した電力会社（1912年開業）

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