三木家住宅 (兵庫県姫路市)

三木家住宅について

三木家住宅（みきけじゅうたく）は、兵庫県姫路市に位置する歴史的な建物で、「林田大庄屋旧三木家住宅」として一般に公開されています。この家屋は、地域の豊かな歴史を今に伝える文化財として広く訪れる人々に親しまれています。

概要

三木家は、英賀城主三木氏に起源を持つと言われていますが、1580年に羽柴（豊臣）秀吉による播州の進攻があった際、英賀城が落城し、一族は様々な地域へ避難しました。その後、家族は林田に戻り、地元で農業を営むことになります。この家系は江戸時代を通じて林田藩の大庄屋としての役割を担ってきました。

三木家住宅は約4,200平方メートルの敷地を占めており、その中には主屋、長屋門、土蔵など6つの幾つかの建物が残されています。これらの建物は1988年に姫路市の重要有形文化財に指定され、続いて1990年には兵庫県の重要有形文化財に認定されました。敷地内には境内の神様を祀る場所や裏門があり、周囲は土塀で囲まれ、南西側には美しい園池が広がっています。特に、長屋の西端には藩主を迎えるための御成門が存在しており、昭和63年の指定以前からその重要性が認識されていました。

保存修理工事と庭園の整備も行われ、平成22年には新たに整備された姿が公開されることとなりました。

歴史的背景

三木家住宅の起源については、創建時期を示す文書は見つかっていないものの、土間の小屋束から元文2年（1737年）の祈祷札が発見されたことにより、建築時期の特定が間接的に行われています。また、古文書によると、かつてこの住宅は300メートルほど北に位置していた林田藩陣屋の近くに存在していたですが、牛馬の往来が頻繁であったため、現在の地に移転されました。このため、江戸時代初期に建築されたと推定される三木家住宅は、兵庫県内でも極めて古い大庄屋の例として知られています。

大庄屋屋敷が現在の形で残るのは全国的にも稀有であり、民家の歴史において非常に貴重な遺構とされています。特に、当時の大庄屋住宅が実際に残存する例は少なく、その意義は非常に高いといえるでしょう。

文化財としての指定

三木家住宅の重要文化財としての地位を確立した要素には、以下が含まれます:

• - 主屋（17世紀）：入母屋造りで茅葺、棟と庇は本瓦葺き。
• - 長屋門及び長屋（1796年建築）：いずれも入母屋造りの本瓦葺。
• - 3棟の土蔵（米蔵、内蔵、新蔵）は19世紀前期の建築で、土蔵造りであり切妻造りが施されています。これらの建物は財産として地域の文化を語り継ぐ重要に役割を果たしています。

開放情報

三木家住宅は金曜日から月曜日及び祝日（12月28日から1月4日を除く）の間に一般公開されています。開館時間は午前10時から午後4時までで、入場は午後3時30分まで可能です。鑑賞料は一般300円で、高校生・大学生200円、小学生・中学生は100円となっており、団体割引もあります。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、神姫バスの姫路駅前発林田経由山崎行きが便利です。約40分の道のりを経て、林田バス停から徒歩で約10分です。自家用車の方は、姫路北バイパス下伊勢ランプより国道29号を経由して約15分、中国自動車道山崎インターチェンジからも国道29号経由で約30分で到着できます。

周辺には、「敬業館」といった他の文化財もあり、観光を楽しむ方々にとっても魅力的なスポットとなっています。

もう一度検索