三杉磯拓也

三杉磯拓也（みすぎいそ たくや）は、1956年5月11日、青森県八戸市に生まれた元大[[相撲]]力士です。本名は上沢秀則（かみさわ ひでのり）。放駒部屋（入門時は花籠部屋）に所属し、最高位は西前頭2枚目を記録しました。現役時代の体格は187cm、126kgで、左四つ、突っ張り、寄り、上手投げ、突き落としを得意としていました。1988年から2021年まで峰崎部屋の師匠を務め、現在は年寄・峰崎として後進の指導にあたっています。

幼少期は大人しい性格でいじめられていましたが、187cmの長身は目を引き、中学生の相撲大会でスカウトが殺到しました。母方の叔母の知人の花籠部屋OBからの「飛行機に乗せてあげる」という誘いを受け、花籠部屋に入門を決意。中学在学中に花籠部屋へ入門し、1971年3月場所で初土俵を踏みました。当初の四股名は本名と同じ「上沢」でした。

胴長で下半身の発達した相撲向きの体型に加え、稽古熱心さから早くから注目されました。しかし、部屋持ち時代は「毎日軍隊みたいにブン殴られて、最初の3年半は地獄」と語るほど過酷な稽古を積んでいたそうです。親孝行のために18歳頃から朝3時に起きて稽古に励むなど、努力家の一面も持っていました。1976年11月場所で新十両に昇進、1977年11月場所には21歳で新入幕を果たしました。

現役時代は、蔵間や出羽の花と並ぶ美男幕内力士として人気がありました。1979年9月場所では、西前頭3枚目の地位で北の湖と三重ノ海から2日連続で金星を獲得しましたが、金星は結局この2個のみでした。突っ張って左四つからの寄りや投げに威力がありましたが、消極的な性格が災いしたのか、幕内上位ではなかなか勝てませんでした。三賞・三役にも手が届きませんでした。

1981年5月場所から「東洋（あずまなだ）」と改名しましたが、1984年3月場所には四股名を「三杉磯」に戻しました。1985年9月場所で再入幕を果たしたものの、1985年12月には花籠部屋が消滅したため、同門の放駒部屋へ移籍。花籠部屋消滅後は負け越しが続き、1986年9月場所で引退し、年寄・峰崎を襲名しました。

その後、放駒部屋付きの親方として後進の指導にあたり、1988年12月に峰崎部屋を創設しました。実弟の上沢秀文も同部屋に入門しましたが、三段目までで引退しています。部屋創設初期は、峰崎親方も女将も弟子に対して何もしてあげられないことが多かったようですが、弟子を大切に思う気持ちは人一倍でした。一時期は所属力士が3人まで減るなど衰退した時期もありましたが、花籠部屋との合併により勢いを取り戻しました。

荒磯部屋で初土俵を踏み、峰崎が花籠部屋から預かった荒鷲は峰崎部屋力士として十両、後に幕内にも昇進しました。荒鷲は「峰崎親方が厳しく指導してくださったからこそ、どこか甘えてダラダラしていた自分を変えてくれた」と恩義を語っています。2021年5月に定年退職するため、同年4月1日に峰崎部屋を閉鎖。その後、芝田山部屋へ移籍し、年寄・峰崎として後進を指導しています。

三杉磯は子供の頃からの鉄道ファンで、鉄道模型製作を趣味としており、雑誌の取材を受けたこともあります。また、ドローン飛行も趣味としており、280時間の飛行実績があります。民間試験や国家試験にも合格し、プロ並みの操縦技術を持っています。2021年12月には、日本相撲協会から依頼されて両国国技館を空撮する企画に協力し、“ドローン親方”として脚光を浴びました。

妻の婦記子は同じ青森県出身で、日本女子大学時代は相撲研究会に所属していました。2014年頃から、女将がちゃんこ場に立つなど、弟子たちの育成に尽力しています。子育てが終わった現在は、家庭よりも弟子の育成に専念できる環境にあります。

通算成績は536勝567敗5休、幕内成績は233勝287敗5休。金星は2個（北の湖1個、三重ノ海1個）を獲得しました。十両優勝は1回です。現役在位は93場所、幕内在位は35場所でした。

改名歴は、「上沢 秀則」から始まり、「三杉磯 秀則」、「三杉磯 秀人」、「三杉磯 吉明」、「三杉磯 豊秀」、「東洋 公大」などを経て、最終的に「三杉磯 拓也」となりました。年寄変遷は、1986年9月から「峰崎 修豪」を襲名しています。

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