三浦 政基(みうら まさき)
1949年11月17日、
宮崎県児湯郡都農町に生まれた三浦政基氏は、日本の元
プロ野球選手。マウンドでは主に
投手として活躍し、引退後もコーチやスカウト、解説者として長きにわたり野球界に貢献しました。
日向工業高校を卒業後、1968年にトヨタ自動車に入社。しかし、わずか一年で退社し、翌1969年に愛知学院大学へ進学します。愛知大学リーグでは、当時強豪だった中京大学の前に立ちはだかられ、在学中に4度のリーグ2位を経験するも、残念ながら優勝には手が届きませんでした。しかし、1972年春季には敢闘賞を受賞するなど、個人としてその実力を示しています。リーグ戦では通算28試合に
登板し、8勝5敗の成績を残しました。
大学卒業を控えた1972年のドラフト会議で、東映フライヤーズから2位指名を受け、プロ野球の世界へと足を踏み入れました。背番号は「26」でした。
プロ入り後の1973年、早くも一軍の舞台に立ち、
7月にはプロ入り初となる先発
登板も経験。この年は右オーバースローから小気味よいノーワインドアップ投法を繰り出し、カーブを武器に1
完投を含む6勝をマーク。その後もチームの貴重な中継ぎ
投手として活躍を続けました。
1978年、
中村国昭選手との交換トレードによりヤクルトスワローズへ移籍。背番号は「16」に変更されました。この年、それまでの先発タイプからリリーフへと役割を大きく転換することになり、当初は戸惑いもあったようですが、22試合に
登板。チームが球団史上初のリーグ優勝を達成した瞬間に、その一員として貢献しました。しかし、翌1979年には
登板機会が減少しました。
1980年には、山下慶徳選手との交換トレードで南海ホークスへ移籍。背番号は「40」となり、再び心機一転を図ります。南海では中継ぎの柱としてフル回転し、この年自己最多となる42試合に
登板。連投が続いた影響で右
肘の痛みに悩まされ、
7月には一時的に二軍へ降格しましたが、約一ヶ月後には一軍に戻ってきました。
特に印象深いのは、1980年
8月29日の対日本ハム戦(鴨池)。6回途中、無死満塁という絶体絶命のピンチでリリーフのマウンドに上がります。犠飛で2点を失ったものの、後続を抑え、この年初めての
セーブを記録しました。試合後、バッテリーを組んだ後輩の
香川伸行捕手(通称ドカベン)の好リードを称賛するコメントを残しています。
1981年も南海のリリーフ陣を支える重要な存在として活躍。この年には、プロ野球の歴史に残る記録も樹立しました。
5月6日の西武戦では、わずか2球で
セーブを記録。さらに
6月4日の日本ハム戦(後楽園)では、より劇的な形で
セーブを記録します。8対7と1点リードの9回表二死一塁の場面で
登板。ここで
打者と対戦する前に、一塁走者だった
井上晃二選手の大きなリードを見抜き、牽制球でアウトに。
打者に一球も投げることなく、試合を締めくくる「0球
セーブ」を達成しました。これは前年にチームメイトの
金城基泰投手が
福本豊選手相手に記録して以来、プロ野球史上2例目となる快挙でした。
しかし、1982年になると
登板機会が減少。背番号は「13」に変更されましたが、同年オフに自由契約となります。
1983年には横浜大洋ホエールズへ移籍。背番号は「61」をつけましたが、ここではほとんど活躍の場に恵まれず、同年限りで現役を引退しました。
現役引退後も野球への情熱は衰えず、様々な立場で貢献しました。
テレビ埼玉「ライオンズアワー/ヒットナイター」や千葉テレビ「
CTCダイナミックナイター」で解説者として活躍した後、古巣である日本ハムファイターズで二軍
投手コーチ(1989年〜1994年、1999年〜2000年)を務めました。また、1995年から1998年にかけてはスカウトとして若手選手の育成にも尽力しました。日本ハム退団後も、マスターズリーグでプレーしたり、
九州総合スポーツカレッジで校長兼硬式野球部総監督を務めたり、
日本プロ野球OBクラブの副理事長に就任するなど、多方面で野球界への貢献を続けています。
主な記録
初
登板:1973年
7月1日、対阪急ブレーブス前期13回戦(
後楽園球場)
初勝利・初先発・初
完投:1973年
7月12日、対ロッテオリオンズ前期13回戦(神宮球場)
初
セーブ:1975年4月20日、対ロッテオリオンズ前期6回戦(
川崎球場)
背番号
26 (1973年 - 1977年)
16 (1978年 - 1979年)
40 (1980年 - 1981年)
13 (1982年)
61 (1983年)
77 (1989年 - 1994年、1999年)
88 (2000年)
関連項目
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