三神峯公園

三神峯公園について

三神峯公園は、宮城県仙台市太白区に位置する風致公園です。仙台市南部の桜の名所として知られ、春には多くの花見客で賑わいます。公園は、青葉山丘陵の東南に位置し、標高約69メートルの三神峯という低山にあります。崖下の平地との標高差は約40メートルです。

公園の概要

三神峯公園は、仙台市内でも特に多くの桜の木が植えられていることで有名です。春には美しい桜が咲き誇り、多くの人々が訪れて花見を楽しみます。公園の歴史は古く、縄文時代には集落が形成され、古墳時代には古墳が築かれました。近代以降は、仙台陸軍幼年学校、旧制第二高等学校、東北大学の校地として利用され、1967年に現在の三神峯公園が開園しました。

歴史

三神峯には、縄文時代前期に集落が存在し、「三神峯遺跡」と呼ばれています。この遺跡からは、8棟の竪穴建物の遺構や、多数の縄文土器、石器が出土しています。弥生時代の遺物は発見されていませんが、古墳時代には3つの古墳群（三神峯古墳群）が築かれました。また、南の崖下には富沢窯、東斜面には金山窯が置かれていました。

長い間、歴史の表舞台に現れることはありませんでしたが、1937年に仙台陸軍幼年学校が三神峯に再建されました。この学校は、1945年の仙台空襲で被害を受け、終戦とともに廃止されました。その後、旧制第二高等学校の校舎として利用され、1949年には東北大学に統合されました。東北大学の第一教養部の校地や学生寮の明善寮として利用されましたが、1958年に大学施設は川内地区に移転しました。

その後、仙台市が跡地を公園として整備することを決定し、1967年に三神峯公園が開園しました。開園以来、数次の発掘調査が行われ、多くの縄文時代の遺物や遺構が発見されています。公園の入口には、陸軍幼年学校時代の門柱が今も残されています。

年表

縄文時代前期 - 大規模な集落を形成（三神峯遺跡）。
古墳時代 - 三神峯古墳群が築かれる。
1937年（昭和12年）4月1日 - 仙台陸軍幼年学校が設置。
1945年（昭和20年）7月10日 - 仙台空襲により罹災。
1945年（昭和20年）8月15日 - 終戦に伴い、幼年学校が廃止。旧制第二高等学校三神峯校舎となる。
1949年（昭和24年） - 東北大学第一教養部富沢分校となる。5月には明善寮が建設される。
1958年（昭和33年） - 教養部が川内校舎へ移転。
1967年（昭和42年） - 三神峯公園が開園。
1967年（昭和42年）7月7日 - 31日 - 三神峯遺跡第1次発掘調査。
1973年（昭和48年） - 三神峯遺跡第2次発掘調査。仙台市内で初めて縄文時代の竪穴建物跡を発見。
1975年（昭和50年） - 三神峯遺跡第3次発掘調査。
1994年（平成6年）1月10日 - 11日 - 三神峯遺跡第4次発掘調査（公衆便所の設置に伴う）。12月15日 - 三神峯遺跡第4次発掘調査（身障者公衆便所の設置に伴う）。
2007年（平成19年）3月12日 - 20日 - 三神峯古墳・三神峯遺跡第5次発掘調査。8月22日 - 9月7日 - 三神峯遺跡第5次発掘調査。
2008年（平成20年）6月26日 - 9月16日 - 三神峯遺跡第6次発掘調査。

三神峯遺跡

公園内には、縄文時代の集落跡である三神峯遺跡があり、これまでの発掘調査で多くの遺物が発見されています。これにより、この地が古代から人々の生活の場であったことがわかります。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、仙台市営バスまたは宮城交通の「西多賀一丁目西・三神峯公園入口」バス停が最寄りです。また、仙台市地下鉄南北線長町南駅から徒歩約23分です。

車でのアクセスも可能で、仙台南部道路の山田IC、長町IC、または東北自動車道の仙台南ICが利用できます。

周辺施設

公園の周辺には、東北大学電子光理学研究センター、聖和学園高等学校三神峯キャンパス、仙台市立西多賀中学校などがあります。

参考文献

仙台市史編さん委員会『仙台市史』通史編7（近代2）、仙台市、2009年。
仙台市教育委員会『三神峯遺跡 第6次発掘調査報告書』（仙台市文化財調査報告書第338集）、2009年。

関連項目

三神峯遺跡

外部リンク

三神峯公園 （杜の都　緑の名所100選）
* 三神峯公園の碑 （太白区まちづくり推進協議会）

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