仙台南部道路

仙台南部道路：仙台都市圏を支える東西動脈

仙台南部道路は、宮城県仙台市若林区の仙台東部道路・仙台若林JCTから、太白区の東北自動車道・仙台南ICに至る全長約17kmの自動車専用道路です。高速道路ナンバリングではE48が割り当てられています。名取川に沿って東西に走り、仙台市の南部の郊外地域を横断する重要な道路インフラとして機能しています。

渋滞緩和と地域経済の活性化

仙台南部道路の建設は、当初、国道286号と国道4号仙台バイパスを結ぶ産業道路として構想されました。1973年に開通した東北自動車道仙台南ICと、1971年に開港した仙台港を結ぶルートとして、仙台市内中心部の交通渋滞を緩和する目的も含まれていました。1974年3月、仙台南有料道路として着工、その後段階的な延伸を経て、仙台東部道路との接続、そして東北自動車道との接続が実現し、現在の仙台南部道路となりました。

建設の歴史：紆余曲折を経たルート選定

当初の計画では、名取川南岸を通るルートが想定されていましたが、大気汚染や騒音問題などを懸念する地元住民や名取市議会の反対運動により、計画は白紙に戻されました。1974年、名取川北岸を通るルートに変更され、1981年、山田料金所から長町出入口間がまず開通しました。その後、1994年には仙台東部道路との接続、2001年には東北自動車道仙台南ICとの接続が完了し、全線開通を迎えました。仙台南ICとの接続部には料金所が設置されていましたが、その後廃止され、ジャンクション化が完成し、仙台都市圏環状自動車専用道路の一部を担うようになりました。

道路規格と速度制限

道路規格は全線第1種3級で、初期の区間は盛土、東北自動車道接続部は高架構造が採用されています。速度制限は、開通当初は50km/hでしたが、段階的に引き上げられ、現在は70km/h（設計速度80km/h）となっています。

NEXCO東日本への移管

仙台南部道路は、当初は宮城県道路公社が管理・運営していました。しかし、東北自動車道や仙台東部道路との接続後、料金体系や割引サービスの格差が問題視されるようになりました。東日本大震災後の復興事業の一環として、2013年7月1日、NEXCO東日本へ有償移管されました。この移管は、道路法や道路整備特別措置法に基づいた複雑な法的処理を経て実現しました。移管に伴い、路線指定も宮城県道から国道6号に変更されています。移管費用は約170億円と報道されましたが、正確な金額は公表されていません。

インターチェンジ等の整備

仙台南部道路には、複数のインターチェンジ（IC）やジャンクション（JCT）が設置されています。仙台若林JCT、今泉IC、長町IC、山田IC、仙台南ICなどが主なものです。また、長町IC～今泉IC間は、渋滞緩和のため4車線化工事が完了しています。

交通量

仙台南部道路の交通量は、国土交通省による道路交通センサス等で計測されています。近年は、新型コロナウイルス感染症の影響により交通量調査が延期された経緯もあります。

今後の展望

仙台南部道路は、仙台都市圏の交通インフラとして重要な役割を担っています。今後、更なる交通量の増加が見込まれる中で、渋滞緩和対策や維持管理の更なる充実が求められています。また、周辺地域の開発や都市計画との連携も重要となるでしょう。

まとめ

仙台南部道路は、複雑な歴史と様々な利害関係を乗り越え、完成した重要な交通インフラです。その建設と発展の過程は、地域の変遷と発展を反映しており、今後ますますその重要性が増していくことが予想されます。

もう一度検索