三義トンネル

三義トンネルは、台湾鉄路管理局（台鉄）の台中線（山線）に位置する、全長7,728メートルにおよぶ長大な鉄道トンネルです。このトンネルは、苗栗県三義郷の三義駅と、台中市后里区の泰安駅との間に設けられており、台中線における最長のトンネルであると同時に、台湾全体でも3番目に長い山岳トンネルとして知られています。

1998年に完成した三義トンネルは、台中線の複線化工事の一環として建設されました。特に、后里と三義の間にある約15キロメートルの区間は、単線であり、急勾配が連続する難所でした。この区間の改善は長年の課題であり、複線化と同時に、勾配を緩和する目的で三義トンネルの建設が決定しました。

トンネルの北口は三義駅の南側に位置し、南口は鯉魚潭橋に隣接しています。この位置関係からも、トンネルが線路全体のボトルネックとなっていた区間の改善に大きく貢献していることが分かります。

三義トンネルは、台湾鉄路管理局の電化区間の標準仕様に基づいて建設されており、列車は最高時速130キロメートルで通過することが可能です。この高い設計速度は、輸送能力の向上だけでなく、列車の運行時間の短縮にも貢献しています。トンネル内部は、電化された複線に対応した構造となっており、安全かつ効率的な列車運行を支えています。

三義トンネルの開通は、台中線の輸送能力を大幅に向上させ、台湾中部の経済発展に大きく貢献しました。また、トンネルの建設技術は、その後の台湾における鉄道インフラ整備のモデルケースともなっています。このトンネルは、台湾の鉄道史において重要な位置を占める建造物の一つと言えるでしょう。

もう一度検索