三菱ふそう・エアロミディME

三菱ふそうエアロミディME：小型ノンステップバスのパイオニア

三菱ふそうエアロミディMEは、2002年に三菱自動車工業（当時）から発売された小型ノンステップバスです。エアロミディシリーズの最小モデルとして、日本国内で初めて全幅2mクラスの小型ノンステップバスを実現しました。全長7m、全幅2mというコンパクトなボディながら、本格的なノンステップ構造と優れた小回りが魅力です。最小回転半径はわずか5.7mと、狭隘路での運行にも適しています。

バリアフリー性能の高さ

エアロミディMEは、バリアフリー性能にも配慮した設計がなされています。床面地上高を375mmとすることで、当時全幅2mクラスでは適用除外とされていた交通バリアフリー法の条件をクリアしました。乗降口のステップ高も、前扉295mm、中扉335mmと低く抑えられています。さらに、オプションの4輪ニーリング機能により、車高を50mm上下させることが可能です。これにより、高齢者や車椅子利用者にとって、よりスムーズな乗降が可能となっています。

車内には、折りたたみ式の座席を設置し、必要に応じて車椅子スペースを確保できるようになっています。また、着脱式のスロープ板を床下に収納するなど、使い勝手の良さも追求されています。国土交通省のノンステップバス標準仕様にも準拠しており、高い信頼性と安全性も確保されています。

多様な用途への適合性

コミュニティバスをターゲットとして開発されましたが、エアロミディMEの活躍の場は多岐に渡ります。狭隘路線や利用者の少ない路線など、一般路線バスとしての導入例も見られます。そのコンパクトさと高い機動性から、送迎バスとしても広く利用されています。

パワートレインとモデルバリエーション

KK-ME17DF型は2002年4月23日に発売開始されました。エンジンは三菱ふそう・ローザと同じ直列4気筒の4M50型ターボディーゼルエンジン（132kW/180PS）を搭載。トランスミッションは5速マニュアルのみの設定で、エンジン横置きのT-Drive方式を採用していました。価格は、前乗り単区間仕様が1291万円、中乗り多区間仕様が1340万円でした（東京地区）。

2003年1月6日に三菱自動車工業から三菱ふそうトラック・バスが分社化されたことに伴い、製造販売元が変更となりました。

2004年には、PA-ME17DF型として平成15年排出ガス規制に適合したモデルが登場しました。エンジンはKK-ME17DF型と同じ4M50型ですが、排ガス規制への対応やテールランプの位置変更などが行われています。しかし、更なる排出ガス規制強化のため、2007年8月に生産が終了しました。

CNG仕様車は、メーカー純正ではなく、フラットフィールドや株式会社協同といった専門業者による改造車でした。これは、エアロミディMJや日野リエッセなど、他の小型バスでも同様でした。

競合車種とその後継

エアロミディMEの登場当時、競合車種としては、いすゞエルガミオ(7m車)、日野レインボーHR(7m車)、日野リエッセ(いすゞジャーニーJ)などが存在していましたが、これらは既に生産終了しています。現在、エアロミディMEの後継車種としては日野ポンチョが挙げられます。

エアロミディMEは、そのコンパクトさ、バリアフリー性能、そして高い機動性から、日本の地方部における公共交通機関の維持・発展に貢献したモデルと言えるでしょう。生産終了から年月が経ちますが、その功績は高く評価されています。

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