三菱・エアトレック

エアトレック（AIRTREK）

エアトレックは、三菱自動車工業によって販売されたクロスオーバーSUVであり、2001年から2005年まで国内市場に展開されました。このモデルは、SUVやステーションワゴン、ミニバン、ハッチバックなど、複数のジャンルの特徴を取り入れた新しいスタイルの乗用車として登場しました。「スマートオールラウンダー」というキャッチフレーズのもと、当時の企業戦略として位置付けられたこの車両は、後のアウトランダーの前身でもあります。

初代エアトレック（2001年 - 2005年）

初代エアトレックのデビューは2001年6月20日で、その後数回の改良が行われました。プラットフォームには六代目ランサーが使用されており、前輪駆動（FF）と四輪駆動（4WD）のバリエーションがありました。エンジンは直列4気筒ガソリンエンジンで、排気量2.0Lと2.4Lの選択肢が用意されていました。特にインパネシフトの採用により、広い室内空間を実現し、全高を抑えることで機械式駐車場にも対応可能です。

エアトレックは日本国内だけでなく、国外市場では「アウトランダー」としても知られていますが、2005年のモデルチェンジを契機に、日本国内でも車名は「アウトランダー」に統一されることとなり、エアトレックの名前は一代限りで消えました。

エアトレックの進化を見ていくと、初年度に概念車の「ASX」がデトロイトモーターショーでお披露目されたことが記憶に残ります。2002年には、一部改良が施され、ターボエンジンを搭載したモデルが追加されました。さらには、2003年には北米仕様を基にした「スポーツギア」が発売され、デザインが大幅に変更されるなど、ラインナップが充実しました。

2004年にはマイナーチェンジが行われ、車名ロゴも統一されました。さらに、同年8月には「ジャパンオフロードレース」に参加し、シリーズ2位を達成しました。これにより、エアトレックはそのスポーツ性もアピールしています。最終的に2005年10月には後継車であるアウトランダーの登場により、日本国内向けの生産が終了しましたが、それでも国外での生産はしばらく続きました。

2代目エアトレック（2022年 - 2023年）

2021年には、中国で新たなエアトレックがデビューし、先代から13年ぶりに復活しました。このモデルは、SUVタイプの電気自動車（BEV）として発表され、広州国際モーターショーで初披露されました。外観には新たにダイナミックシールドや六角形モチーフが採用され、内装にはソフトパッドや細かなステッチが施されています。

2022年3月には発売が開始され、中国市場で実質価格が約381万から439万円で販売されましたが、販売の不振から2023年には現地工場の操業が停止されるという状況となりました。また、同年10月には三菱自動車が中国における合弁事業を解消し、市場から撤退することを正式に発表しました。

車名の由来

エアトレックという名称は「Air」（自由に）と「Trek」（旅をする）という言葉を組み合わせた造語であり、冒険心を象徴しています。 SUVの可能性を追求し続けたこのモデルは、三菱自動車の歴史の中で特に個性的な存在となりました。エアトレックはそのユニークなデザインと技術で、多くのファンに支持され続けてきました。

関連項目

• - 三菱・ランサー：エアトレックとプラットフォームを共有
• - 三菱・アウトランダー：エアトレックの後継車
• - 三菱・チャレンジャー：エアトレックの前身
• - 三菱・エンデバー

エアトレックは、三菱自動車の新しい挑戦と、革新の象徴として記憶されるでしょう。

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