三菱・ギャランGTO

コルトギャランGTO：時代を駆け抜けたヒップアップクーペ

コルトギャランGTOは、三菱自動車が1970年10月に発売した、美しいスタイリングが際立つファストバッククーペです。高度経済成長期、若者たちの心を捉えたGTOは、単なる移動手段ではなく、個性を表現するアイテムとして愛されました。

スタイリング

1969年の東京モーターショーに「ギャランクーペGTX-1」として出展されたGTOは、その先進的なデザインで注目を集めました。「ダイナウェッジライン」と名付けられたフォルムは、シャープで躍動感にあふれ、トランクリッド後端の跳ね上がり（ダックテール）は、当時の日本車としては斬新なものでした。アメリカンマッスルカーの影響を受けつつも、日本の道路事情に合わせたコンパクトなサイズにまとめられたGTOは、精悍でありながらも洗練された印象を与えました。

モデルの変遷

1970年10月：1.6L SOHCエンジン搭載でデビュー。テールランプは赤一色の角型4灯式。
1970年12月：DOHCエンジン搭載のトップグレード「MR」を追加。精悍なメッキグリルとブラックアウトされたライトベゼルが特徴。
1972年2月：1.7L SOHCエンジン搭載の「17Xシリーズ」に移行。AT車を追加。「MR」を除く1.6L車を廃止。テールランプのウインカーを独立。
1972年8月：排出ガス規制により「MR」を廃止。
1973年1月：マイナーチェンジ。フロントグリル、テールランプのデザインを変更。2.0Lアストロンエンジン搭載車を追加。
1975年2月：2度目のマイナーチェンジ。2.0Lエンジンをサイレントシャフト付きに変更。「GS-R」にエアダムスカートを装着。
1975年10月：昭和51年排出ガス規制適合のため、全車パワーダウン。
1976年5月：一部変更。安全対策として前後バンパーにサイドプロテクターを装着。グレードを整理。
1977年7月：昭和53年排出ガス規制に適合できず生産終了。
1978年3月：販売終了。

GTOという名前

GTOは「Gran Turismo Omologato」の略で、GTレース用ホモロゲーションモデルを意味します。フェラーリやポンティアックといった名車にも与えられた由緒ある称号です。グレード名の「MR」は「Mitsubishi Racing」の略で、三菱のスポーツモデルに受け継がれる称号となりました。

その後

コルトギャランGTOは、1978年に販売を終了しましたが、そのスタイリッシュなデザインとスポーティな走行性能は、多くのファンを魅了し続けました。実質的な後継車はギャランΛです。GTOは、日本の自動車史に名を刻む一台として、今もなお語り継がれています。

関連項目

三菱自動車工業
三菱・ギャラン
三菱・ギャランΣ
三菱・ギャランΛ
三菱・GTO
三菱・ギャランクーペFTO
* 三菱・FTO

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