三菱・ディグニティ

ディグニティ (DIGNITY) の概要

ディグニティは、三菱自動車工業が販売していた高級乗用車であり、その存在は日本の自動車市場に影響を与えました。初代モデルはわずか15ヶ月間のみ自社生産され、二代目は日産自動車からOEM供給を受けて復活しました。これにより、ディグニティはプレミアムブランドとしての位置を確立しました。

初代 (S43A型)

初代モデルは1999年12月に発表され、2000年2月に発売されました。この車はトヨタ・センチュリーや日産・プレジデントの競争相手として位置づけられ、市場での注目を集めました。リムジン型のデザインは豪華さを追求し、全長はプラウディアと共通で、洗練された内装が施されています。搭載されたエンジンは4,500ccのV型8気筒DOHC GDIエンジンで、280馬力の出力を誇ります。また、特別な装備としてリヤシートヒーターやスーパーエグゼクティブシートシステムがあり、快適な乗り心地が実現されています。

販売価格は999万円であり、当時の高級車市場においては高額な部類に入ります。しかし、リコール隠し事件や非三菱系企業からの敬遠により、初代モデルは59台しか生産されず、販売は短命に終わりました。このモデルは三菱独自生産の最高級車としては最後のモデルとなりました。

二代目 (BHGY51型)

約11年の時間を経て、2012年に二代目ディグニティが登場しました。このモデルは日産・シーマを基にしたOEM供給で、ハイブリッド専用のロングボディセダンとして進化しました。全高が高く、全幅は狭くすることで重心が下がり、より安定感のある走行が可能となりました。また、ハイブリッド技術を導入したことで、燃費性能の向上と環境配慮を両立させています。

車両価格は先代に比べて159万円の値下げがされており、経済的な魅力も持っています。初代と同様に、秋篠宮家の公用車としての実績がありますが、幸運にも2016年に販売が終了するまで改良されることはありませんでした。

車名の由来

ディグニティの名称は英語の「DIGNITY」に由来しており、「尊厳」や「気品」を意味します。この名称自体が、このモデルの高級感や特別な地位を象徴しています。

結論

ディグニティは三菱自動車の高級車ラインアップにおいて特異な存在であり、その歴史や技術革新は他の自動車メーカーにも影響を与えました。初代の短い歴史から二代目の復活まで、ディグニティは日本の高級車の象徴として位置づけられています。また、秋篠宮家の公用車として採用された背景は、このモデルの重要性をさらに高める要因となっています。

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