三菱・4A3型エンジン

三菱・4A3型エンジンの概要

三菱・4A3型エンジンは、三菱自動車工業と中華汽車によって生産された、多様なバリエーションを持つガソリンエンジンです。このエンジンは、1993年9月に発売されたH30系ミニカおよびミニカトッポに初めて使用されました。基本的な構成は、水冷直列4気筒であり、659ccの排気量を持つ4A30型が最初のバリエーションでした。後に、1,094ccの4A31型や、台湾市場向けの1,198cc 4A32型などが追加されました。これらのエンジンは軽自動車やコンパクトカーに広く採用されてきました。

様々なバリエーション

4A30型エンジンには、特に注目すべき異なる仕様が存在します。まず、吸気側に3ポートを採用したDOHC20バルブのインタークーラー付きツインスクロールターボ仕様や、SOHC16バルブのMVV（希薄燃焼）仕様もありました。また、4A31型には同社のピスタチオ専用のDOHC16バルブのGDI仕様も含まれます。しかし、これらの高性能バリエーションは、2002年以降の厳しい排気ガス規制や環境税制に対応できなくなり、製造が中止されました。

機構とデザイン

4A3型エンジンのシリンダーブロックは鋳鉄製で、現代の多くのエンジンとは異なり、可変バルブ機構を採用していません。このエンジンは、パジェロミニに搭載される際には縦置き構成で設計されており、その冷却ファンは特異なカップリング内蔵のベルト駆動式でした。2002年まで生産されたエンジンでは、クランクベアリングキャップがラダービームフレームと一体となっており、高剛性の支持構造が特長でした。

総合スペック

各バリエーションの基本的なスペックは次の通りです。

• - 4A30（自然吸気）

- 製造期間: 1993年 - 2012年
- 構成: 直列4気筒 SOHC 16バルブ
- 排気量: 659cc
- 圧縮比: 10.0:1
- 出力はダウンドラフトキャブレターからECIマルチまで多様で、50PSから55PSまで、トルクも様々です。

• - 4A30（MVV）

- 製造期間: 1998年 - 2002年
- 出力: 52PS/6,500rpm

• - 4A30（ターボ）

- 製造期間: 1999年 - 2012年
- 出力: 最大64PS

• - 4A31

- 製造期間: 1995年 - 2001年
- 出力: 最大80PS

• - 4A32

- 製造期間: 1998年 - 2015年
- 出力: 76PS

このように、4A3型エンジンは複数の仕様で展開され、さまざまな車両に搭載されてきました。

主な採用車両

4A30型エンジンは、特に7代目ミニカやミニカトッポ、さらにパジェロミニなどの軽自動車で広く使われました。これらの車両は日本国内外で人気があり、エンジンの特性を活かした設計がなされていました。他にも、トッポBJやブラボーなど、数多くのモデルに採用されています。

結論

三菱・4A3型エンジンは、多様な仕様と信頼性の高さから、長年にわたり多くの軽自動車に使用されてきました。排出規制や環境問題の影響を受けつつも、その堅実な性能は多くのドライバーに支持されています。

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