三菱・ME21/24系エンジン

三菱・ME21/24エンジンの概要

三菱・ME21/24エンジンは、新三菱重工業によって開発されたエンジンで、特に軽自動車市場を意識して設計されています。初代のME20型エンジンを置き換える形で登場したこのエンジンは、単気筒OHVの前モデルに対し、2ストロークエンジンとして1972年まで三菱自動車の小型エンジンの基本形状を保持しました。特に、三菱・レオなど、当時流行したオート三輪に搭載され、商業的にも成功を収めました。

エンジンの命名規則

三菱製エンジンの命名方法は、工場や開発順序によって決められました。例えば、ME21型の「M」は水島工場、「E」はエンジンを意味し、「21」はその工場での21番目の開発を示しています。1968年以降、こうした命名法は改変され、新たな規則が適用されるようになりました。ME21型は1961年4月には商用車「三菱・360」に初めて使用され、その後は乗用車にも広がりました。

ME21型とME24型の詳細

ME21型は359ccの直列2気筒エンジンで、出力は17馬力（13kW）です。これが商用車や軽自動車の基盤となり、経済性や効率性が重視される市販車に搭載されました。1964年には、オートミックス分離給油方式を取り入れたME24型が誕生し、出力が向上しました。さらに、1967年にはリードバルブが加えられ、バリエーションとしてME24D型が登場。出力は21馬力に達しました。

以降も、ME24E型やME24F型といった改良がなされ、最終的には30馬力に達しました。これらのバリエーションは、2代目ミニカや初代ミニキャブなど、多くの三菱車で使用されました。特に、ME24型はホープ自動車のホープスター・ON型にも搭載され、スズキ・ジムニーの前身ともなりました。

エンジンの特徴と冷却方式

ME21/24型エンジンは空冷式ですが、強制的に冷却風を導入するタイプに分類されます。この設計により、エンジン自体の冷却効率を高めることができ、他のエンジンとは異なる外見を持っていました。また、62年以降は、ME24型には「イエローエンジン」と呼ばれるペットネームがつけられ、特にエアクリーナーボックスが黄色く塗装されたことが特徴でした。このように、エンジンは視覚的にも区別され、市場での競争力を高める役割を果たしました。

結論

三菱・ME21/24エンジンは、周辺環境や市場のニーズに応じて進化を遂げた重要なエンジンです。多くの車両に搭載された実績があり、三菱自動車の歴史においても欠かせない存在であり続けました。しかし、排出ガス規制の強化に伴い、より現代的なエンジンに置き換えられていく中で、その技術的進化は他のエンジンシリーズにも影響を与えたといえるでしょう。

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