三遊亭円楽 (7代目)

七代目 三遊亭 円楽

七代目 三遊亭 円楽（しちだいめ さんゆうてい えんらく、1977年11月7日 - ）は、東京都荒川区出身の落語家です。五代目円楽一門会に所属し、本名は家入 一夫（いえいり かずお）。出囃子は元禄花見踊です。父は同じく落語家の三遊亭好楽。

概要

本名の「一夫」は父・好楽の師匠である八代目林家正蔵（後の彦六）が命名し、高座名の「王楽」は師匠である五代目圓楽が命名しました。六代目圓橘など、好楽と親交の深い落語家からは、子供の頃からの名残で「カズ」と呼ばれています。

駒澤大学高等学校、駒澤大学文学部英文学科を卒業後、2001年5月に五代目三遊亭圓楽に入門。父・好楽と同じ五代目圓楽を師匠としたため、親子でありながら兄弟弟子という珍しい関係です。そのため、好楽を「兄さん」と呼べる立場にありながら、親子会や好楽一門会の落語会にも多数出演しています。

高座名は「王楽」を名乗り、この名前は師匠である五代目圓楽が若い頃に「星の王子さま」と呼ばれていたことに由来します。そのため、自身も「二代目星の王子さま」と呼ばれることがあります。名前の候補には他に「光楽」や「聖楽」がありました。

2004年5月に二ツ目に昇進。2005年10月23日から師匠である五代目圓楽が脳梗塞で「笑点」を休演した頃から、「三遊亭圓楽の27番弟子、最後の弟子でございまして…」という挨拶をすることが多くなりました。2007年2月25日に師匠・圓楽が現役引退を表明したため、王楽が最後の弟子であることが確定しました。圓楽自身もインタビューで王楽を「最後の弟子」と語り、「王楽が一人前になるまでは自分も頑張らないといけない」と発言しています。2008年には「NHK新人演芸大賞」落語部門大賞を受賞しました。

2009年10月に真打に昇進。王楽は五代目圓楽が亡くなる直前に真打昇進が決まっていたため、好楽一門の預かり弟子にはなっていませんが、父である好楽自身は、直弟子ではないものの王楽を一門に入れていると発言しています。同年12月には、上方落語の定席である天満天神繁昌亭で真打昇進披露興行を行い、繁昌亭初の真打昇進披露興行となりました。

2013年2月には、歌舞伎役者・片岡孝太郎のチケット管理などを担当していた女性と結婚。息子二人の名付け親は春風亭小朝です。

2017年11月以降は、三遊亭兼好、三遊亭萬橘と共に落語芸術協会の新宿末廣亭の定席に交互枠で常時出演しており、同協会の興行にもゲストとして度々出演しています。

2024年9月24日には、翌2025年2月20日付で「七代目三遊亭円楽」を襲名することが、所属する五代目円楽一門会から発表されました。「三遊亭圓楽」の名跡は、兄弟子である六代目円楽が2022年9月に亡くなって以来、空き名跡となっていました。2025年2月20日、七代目三遊亭円楽を襲名し、同年2月26日より有楽町よみうりホールなどで「七代目三遊亭円楽襲名披露興行」が行われています。

人物

二世落語家同士でもある二代目林家三平（ただし、三平は三世落語家）、三代目桂春蝶、二代目林家木久蔵、月亭八光の4人と共に『坊ちゃん5』として落語会などのイベントを行っています。中でも2代目木久蔵とは、互いの父親が元彦六一門の兄弟弟子であり、笑点メンバーである若手落語家同士としてW親子会で共演したり、2006年1月に四派合同二つ目以下の若手で旗揚げした『平成噺し座』のメンバー同士であったりと、多くの接点があり、公私共に親交があります。

また、親子会に関しては、好楽門下にナポレオンズのボナ植木の子息が入門し、三遊亭かっ好（現：三遊亭好の助）となったため、『ナポレオンズ・好楽W親子会』も加わりました。

2人いる姉のうち、4歳上の次姉は雑司が谷（都電鬼子母神前停留場・副都心線雑司が谷駅近隣）で和菓子店を経営しています。王楽はブログで、次姉を「愚姉」・「家入家の恥密兵器」などと紹介しています。幼少期の1981年5月には、NHK『お笑いオンステージ』の「減点ファミリー」のコーナーで姉2人と共に父親と共演したことがあります。

落語芸術協会所属の活動弁士である坂本頼光は、小・中学校の2学年後輩です。

六代目円楽が存命中は、好楽と同様に圓楽襲名を狙っていることをネタにすることが多くありました。笑点でも、「真打昇進披露口上」に登場した際、「私には夢がありました。それは六代目圓楽襲名と同時に真打昇進という。しかし、残念なことに、某兄弟子に奪われ、只今絶望の淵に立たされております」とネタにしていました。また、「好楽という名前には全く興味がありません」とも発言しています。

芸風

基本は古典落語中心ですが、六代目桂文枝の創作落語（『読書の時間』など）を文枝自身に稽古をつけてもらって演じることもあります。ゲスト付きの独演会は以前から行っていましたが、最近ではゲスト無しの独演会も定期開催するようになりました。ネタの数は1度のみ演じたものも含めて約200席ほどです。

笑点Jr.メンバーとして

大喜利では、木久蔵とは違った若旦那ぶりで人気を博しました。しかし、年間での出演回数は他のメンバーと比べて非常に少なく、2010年3月21日放送分を最後に出演しなくなりました。

芸歴

2001年5月 - 五代目三遊亭圓楽に入門、「王楽」を名乗る。
2004年5月 - 二ツ目昇進。
2009年10月 - 真打昇進。
2025年2月 - 七代目三遊亭円楽を襲名。

出囃子

三下りかっこ（三遊亭王楽）
元禄花見踊（七代目三遊亭円楽）

受賞歴

2008年 - 「NHK新人演芸大賞」落語部門大賞

メディア

BS笑点（BS日テレ） →笑点Jr.（日テレプラス） - メンバー入れ替え制のため、不定期出演。
笑点（日本テレビ） - 2006年5月14日放送分で好楽との師弟大喜利および2009年11月15日放送の「真打昇進披露口上」に出演。
にほんごであそぼ（NHKEテレ）- 「花鹿亭のみなさん」として
第1回輝け!オールスター合唱コンクール（2006年9月16日・テレビ東京） - 落語家合唱団として参加、テナー担当。
オールスター“らくご”暴露話（2007年1月3日・テレビ東京） - 落語指導役。
あさイチ（2010年 - 2011年、NHK総合） - 映画ナビゲーター。
どよう楽市（NHKラジオ第一放送） - 隔週で中継レポーターを担当。
三遊亭王楽のOH!RAKUGO SHOW!!入門編（DVD） - CGを交えながらの初心者向け落語DVD。CG製作はFLASHアニメのトップランナーDLE。
雑学王3時間スペシャル（2011年3月24日・テレビ朝日） - 解答者
映画天国（日本テレビ） - 番組ナビゲーターに就任。

脚注

注釈

出典

参考文献

三遊亭好楽『いまだから語りたい 昭和の落語家楽屋話』河出書房新社、2021年12月30日。ISBN 978-4-3092-9180-2。

外部リンク

三遊亭円楽オフィシャルWEBサイト
七代目 三遊亭円楽 (@ourakugo) - X（旧Twitter）
七代目 三遊亭王楽オフィシャルブログ - Ameba Blog
七代目 三遊亭円楽の落語部屋 - YouTubeチャンネル
* 三遊亭王楽 (@sanyutei_ouraku) - TikTok

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