三里塚 (成田市)

三里塚（さんりづか）

千葉県成田市に位置する三里塚は、同市南東部の根木名川と木戸川の上流域に広がる地域です。遠山地区に属し、周辺には駒井野、天浪、木の根などの大字が隣接しています。特筆すべきは、その東側の大半が成田国際空港の敷地となっている点です。このエリアには、第一旅客ターミナルやA滑走路、誘導路、石油コンビナートなど、空港運営に不可欠な施設が集中しています。

歴史

三里塚は、旧石器時代から縄文時代にかけての遺跡が発見されており、古くから人々の生活があったことが伺えます。元々は取香牧（後の大字駒井野）の小字でしたが、地名の由来は、佐倉城または日蓮宗日本寺からの距離を示す塚であるとされています。1875年には下総牧羊場・取香種畜場（後の宮内庁下総御料牧場）が開設され、この頃から徐々に集落が形成されました。成田市に編入される前は、下埴生郡遠山村に属していました。

成田空港建設問題では、御料牧場が空港用地として提供されましたが、住民の居住区は県の要望により敷地から除外されました。しかし、三里塚の住民の中には、三里塚芝山連合空港反対同盟に加わり、激しい反対運動を展開した人々もいました。1982年には、航空機騒音防止法の騒音区域に指定され、1985年には空港反対派と機動隊が衝突する事件も発生しました。1986年には、三里塚の一部が三里塚光ヶ丘、三里塚御料、西三里塚として新たに大字が設けられました。1990年には、字馬場の地価公示価格が首都圏で1位となるなど、空港開発の影響を大きく受けた地域でもあります。

現在の三里塚

現在、三里塚には多くの人々が生活しており、公共施設や交通網も整備されています。以下に主な施設と交通手段をまとめました。

公共施設

成田国際空港: 言わずと知れた日本の空の玄関口。三里塚の東側の大半を占めています。
三里塚さくらの丘: 空港を一望できる公園。桜の季節には多くの人が訪れます。
三里塚遺跡: 旧石器時代から縄文時代の遺跡が発掘された場所。
三里塚第二保育園: 地域の子育てを支える保育園。
成田市消防本部 三里塚消防署: 地域の防災を担う消防署。
三里塚御料郵便局: 地域住民の生活に欠かせない郵便局。
天満天神社: 地域の人々が信仰する神社。
三里塚第1公園: 地域住民の憩いの場となる公園。
三里塚コミュニティセンター: 地域住民の交流拠点。

交通

道路:
千葉県道62号成田松尾線（芝山はにわ道）：三里塚光ヶ丘、南三里塚方面へ。
千葉県道106号八日市場佐倉線：西三里塚方面へ。
バス:
ジェイアールバス関東（多古本線）：八日市場駅～多古台バスターミナル～成田空港～成田駅を結びます。三里塚周辺には複数のバス停があります。
ジェイアールバス関東・千葉交通（高速バス）：八日市場駅・匝瑳市役所ルートで運行しており、三里塚公園付近にバス停があります。
成田空港交通・さくらの山線：さくらの山とバンテックを結び、三里塚周辺にバス停があります。
成田空港交通・博物館線：成田空港から航空科学博物館、南三里塚を結び、三里塚周辺に複数のバス停があります。
成田市コミュニティバス（遠山ルート）：南三里塚回転所～京成成田駅～保健福祉館を結び、三里塚コミュニティセンター付近にバス停があります。

三里塚は、成田空港の存在と歴史的な背景から、他の地域とは異なる独自の文化やコミュニティを形成しています。空港の騒音問題や開発の影響を受けながらも、地域住民は生活を続けており、これからもその歴史を刻んでいくことでしょう。

もう一度検索