三重県道12号伊勢南勢線

三重県道12号伊勢南勢線

三重県道12号伊勢南勢線は、三重県伊勢市楠部町から度会郡南伊勢町五ヶ所浦を結ぶ主要地方道であり、地元では「五ヶ所街道」とも呼ばれています。この道路は、伊勢神宮の神域である神路山を通過するルートであり、自然豊かな景観が魅力ですが、全線の大部分が大型車通行禁止となっています。

概要

伊勢南勢線は、伊勢市と南伊勢町を結ぶ重要な役割を担っていましたが、伊勢道路やサニーロードの開通により、その役割は変化しました。現在は、地域住民の生活道路としての利用に加え、神宮の自然を満喫できるドライブやサイクリングコースとして親しまれています。

剣峠は九十九折りの道として知られ、道路の難所となっています。

路線データ

起点：三重県伊勢市楠部町
終点：三重県度会郡南伊勢町五ヶ所浦
総延長：24.4952km
実延長：23.208 km
重用延長：1.2872 km
橋梁：28本（総延長：162.4m）

歴史

伊勢南勢線の歴史は古く、明治時代に神原村の村長であった岡逸平の尽力により、剣峠を経由して宇治山田（現在の伊勢市）へ通じる道路が整備されたことに始まります。その後、客馬車の運行を経て、五ケ所浦自動車による乗合自動車の運行が開始されました。

1889年～1890年：剣峠を通り宇治山田への道路が整備
1919年：客馬車が運行開始
1922年：五ケ所浦自動車が乗合自動車の運行開始
1944年：五ケ所浦自動車が三重交通と合併
1955年：三重県道14号宇治山田五ヶ所線として県道認定
1965年：三重県道12号伊勢南勢線に名称変更

伊勢道路開通の影響

1965年に伊勢道路が開通すると、路線バスは伊勢道路へ迂回するようになり、所要時間が短縮されたことから、伊勢南勢線の通行量は激減しました。しかし、その後も伊勢市側の五十鈴川上流域までは三重交通の路線バスが運行されていましたが、利用者の減少により廃止されました。

現在の状況

現在は、高麗広の住民が利用するほか、伊勢神宮の神域における自然の中でのドライブや観光、サイクリング、ランニングコースとして利用されています。剣峠付近の全面舗装は1975年頃に行われましたが、1984年にサニーロードが開通したことで、伊勢市への主要道路としての役割はサニーロードに移りました。

路線状況

伊勢市側の皇大神宮（伊勢神宮内宮）宇治橋前付近以北と南伊勢町側は比較的整備されており幅員も4m程度ありますが、五十鈴川沿いを通る伊勢市側は神宮神域であるため整備があまり進んでおらず、幅員3m程度の区間が多く存在します。また、山中では落石が多いため注意が必要です。神域内は狩猟が禁止されているため、ニホンジカやタヌキ、イノシシ、ニホンザルなどの野生動物が道路に出没することがあります。

別名

伊勢街道
伊勢参宮街道
五ヶ所街道
御幸道路
旧国道23号

重複区間

国道23号（伊勢市中村町 - 伊勢市宇治今在家町）

通過する自治体

伊勢市
度会郡南伊勢町

周辺施設

月読宮
伊勢市立進修小学校
猿田彦神社
神宮会館
伊勢神宮皇大神宮（内宮）
津長神社・新川神社・石井神社
宇治橋・饗土橋姫神社
大水神社・川相神社・熊淵神社
宇治神社
旧林崎文庫
愛洲の里
愛洲の館
五箇所城跡
剣峠

剣峠

剣峠の名前の由来には、佐々木小次郎が剣を洗ったという説がありますが、これは史実ではなく、周囲の山の稜線が剣のように見えることに由来するとされています。

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