三重県道737号新鹿佐渡線

三重県道737号新鹿佐渡線について

三重県道737号新鹿佐渡線は、三重県熊野市を通る一般県道で、名称は「新鹿佐渡線」として知られています。この道路は熊野市新鹿町を起点とし、飛鳥町佐渡へ向かいます。交通の要所としての役割を担い、国道42号と国道311号をつなぐ重要な役割を果たしています。

概要

この県道の全長は11.46キロメートルで、山側から海側へ伸びる形で、地域の運輸と物流の中心として利用されてきました。歴史的には近世から用いられ旅路や物資の輸送に貢献してきた背景があります。

歴史

新鹿佐渡線の起源は古く、江戸時代には既に存在していたとされます。飛鳥村など内陸部から新鹿へ向け、林産物である木材や薪などが集荷され、利用されていました。特に、八丁坂は499メートルの標高を誇る険しい山道であり、女性たちが頭上運搬で木材を運ぶ姿が見られました。
新鹿村で集められた木材は甫本港から名古屋や大阪へと出荷され、村は賑わいを見せていました。1889年頃から地域の人々による寄付金をもとに路線改良が始まり、1893年に「新鹿小阪線」として完成しました。この改良により大八車の通行が可能になり、飛鳥町内の木材を新鹿の港まで運ぶために用いられました。

1920年には道路法が制定され、「五郷新鹿線」として郡道に指定されましたが、交通量の増加に伴い徐々に手入れが行われなくなり、荒廃へと向かいました。しかし、1955年には地域住民が協力して道路改修を財源とし、1959年には県道として認定されました。

トンネルの建設

新鹿と飛鳥の間にトンネルを建設することが決定し、1980年代には一部の路線改良が完了しましたが、飛鳥町側はほぼ手つかずでした。1997年に八丁坂トンネルの工事が開始され、1999年に開通することでようやく全線が繋がりました。これにより、さらなる交通の便が向上しました。

自然災害と復旧作業

2011年には台風の影響により路面の崩壊や落橋などの被害が生じました。その後、観光シーズンに向けて一時的に通行を再開しましたが、復旧工事が続き、最終的には2014年に全線が再開通しました。

交差する道路と沿線の施設

新鹿佐渡線は地域の重要な交通路として機能し続けており、沿線には新鹿駅や公民館、学校などがあります。こうした施設の存在は地域の発展を支え、住民の日常生活にも大きな影響を与えています。

結論

三重県道737号新鹿佐渡線は、歴史的な背景を持ちながら現在も地域の交通網を支える重要な役割を果たしています。利用者にとっては単なる道路ではなく、地域の生活を支える大切なインフラとして存在し続けています。

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