上ナイル州

上ナイル州

上ナイル州（かみナイルしゅう、英語: Upper Nile、アラビア語: الوحدة）は、南スーダンの最北部に位置する州であり、その州都はマラカルです。この地域は、古くからの歴史的背景と多様な民族文化が交錯する重要な場所となっています。

歴史的背景

上ナイル州の歴史は非常に興味深く、特にコドク（旧ファショダ）においてはシルック人の伝統的な王都として知られています。19世紀末のアフリカ分割時には、1898年にイギリス軍とフランス軍がこの地で対峙し、ファショダ事件が発生しました。この出来事は、帝国主義の時代の象徴的な一幕として記憶されています。

その後も上ナイル州ではさまざまな歴史的事件が起こります。2006年にはマラカルの戦いが勃発し、続く2007年にはスーダンの洪水が州を襲いました。また、2009年にはナシール郡で、Jikany Nuer族とロウ・ヌエル族の間でソバト川の戦いが発生しました。これらの出来事は、地域の民族対立の歴史を物語っています。

南スーダンの独立以降、過去に表面化しなかった民族間の対立が顕在化しました。特に、2013年3月9日には上ナイル州に住むロウ・ヌエル族が襲撃を受け、約300人の住民が拉致され、約10万頭の牛が盗まれる事件が発生しました。これにより、地域の緊張状態が増したことは言うまでもありません。

地理

上ナイル州は、北側にスーダン、東側にエチオピアと接しています。また、ユニティ州やジョングレイ州と共に上ナイル地方を構成しています。この州の西部部分は白ナイル川が南北に流れており、これが州名の由来にもなっています。川の存在は地域の人々の生活や文化にとって非常に重要な要素となっています。

行政区分

上ナイル州は、13の郡から成り立っています。以下にその名称を挙げます。

• - バリート郡
• - ファショダ郡
• - ロンジチュク郡
• - マバン郡
• - マラカル郡
• - マンヨ郡
• - マイゥート郡
• - メルート郡
• - ナシール郡
• - パンイカン郡
• - レンク郡
• - ウラング郡
• - アコーカ郡（Akoka County）

これらの郡はそれぞれ異なる文化や伝統を有しており、上ナイル州全体の多様性をより一層豊かにしています。

上ナイル州は、その複雑な歴史を背景に持ちながら、今日も多様な民族が共存する場として機能しています。今後の発展と平和が期待される地域であると言えるでしょう。

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