上三川城

上三川城について

上三川城（かみのかわじょう）は、栃木県河内郡上三川町に位置していた日本の城です。この城は、宇都宮氏にとって非常に重要な支城であり、南方防衛の要となっていました。城主は横田氏や今泉氏が務めていました。現在、残る本丸跡は上三川城址公園として整備され、多くの人々に親しまれています。

城の構造と遺構

上三川城の遺構は、東西約500メートル、南北約800メートルの長方形で、周囲には土塁が構えられています。本丸は土塁に囲まれ、その内側の面積は4,250平方メートルあり、当時は城主の居館や執務室が存在したと考えられます。公園内には散策路が整備され、芝生広場や野外ステージ、神社、各種の草木が植えられ、春には花祭りも行われるなど、地域の憩いの場となっています。

城の土塁は3から4メートルの高さがあり、南側の虎口には城の大手口があったことが示されています。周囲の堀はほぼ埋め立てられていますが、北側には当時の名残りが見られ、幅11メートル、深さ3メートルの堀が残っています。二の丸には櫓や塀の跡がありますが、居住者はおらず、城主の一族や重臣は広大な三の丸に住んでいました。

歴史考察

横田氏の時代

横田氏は、宇都宮氏から分家し、嘉禎3年に横田城を築いたことから始まります。その後、1260年に上三川城が築かれ、横田氏は南方への影響力を増しました。特に、3代城主の横田親業以降は勢力が高まり、寺院の建立などの記録も残っています。城主の交代があり、8代目には今泉氏が迎え入れられました。

今泉氏の時代

今泉氏が城主に就任した後、横田氏は城内に居住しつつ支援する立場になりました。戦国時代には幾度となく戦に参加し、特に喜連川五月女坂の戦いなどで宇都宮方として戦いました。しかし、城は1581年に芳賀高武の攻撃によって落城し、その後の歴史は急展開を迎えます。

落城後

今泉高光の息子、今泉宗高は城が落ちた際、叔父のもとに身を寄せ、その後農業に従事しました。上三川城跡は再建されることはなく、周囲の宅地化が進む中、本丸跡は上三川城址公園として整備され、地域の人々が利用する憩いの場と変わっています。

伝説

白鷺神社にまつわる伝説では、戦の際に白鷺の群れが見え、敵軍が潜んでいると勘違いされたという話があります。この伝説は、神社の名前が「白鷺神社」と改名されるきっかけとなりました。さらに、「片目の魚」や「片目の泥鰌」といった伝説も残されており、その具体的な内容は地域の文化や歴史を知る手がかりとして現在も語り継がれています。

終わりに

上三川城は、その歴史的背景や構造において日本の城郭の一例を示しています。今日の公園としての姿は、地域の歴史を物語る貴重な資源であり、未来への継承が期待されます。

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