上五島国家石油備蓄基地

上五島国家石油備蓄基地概要

上五島国家石油備蓄基地は、長崎県南松浦郡新上五島町に位置している独自の石油備蓄施設です。この基地は、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構の所属であり、上五島石油備蓄株式会社がその操業管理を行っています。

施設の特徴

この基地は、メガフロート方式の洋上タンク式石油備蓄基地として世界で初めての試みとなっています。ここでは、日本国内の石油需要の約7日分に相当する440万キロリットルの原油を貯蔵することができます。基地には、折島と柏島の間に防波堤が設置されており、その東側には二重の浮式防油堤が設けられています。そこには5隻の貯蔵船が係留されており、これにより安全な環境が保たれています。

原油は、タンカーを通じて折島にあるシーバースからパイプラインを用いて貯蔵船に移されます。各貯蔵船は、長さ390メートル、幅97メートル、深さ27.6メートルのサイズを持ち、最大88万キロリットルを貯蔵できる能力を誇っています。内部には9つの貯蔵ブロックが設置されており、外部との間には二重構造の空間があり、海水が充填されています。これにより、貯蔵船は1隻ずつ独立して切り離すことが可能で、定期的には長崎市のドックへ曳航されてメンテナンスが行われます。

沿革

この基地の設立は1981年（昭和56年）12月に遡ります。当時、上五島地区が国家石油備蓄基地の建設地として選定されました。続いて1982年2月には、石油公団、三菱石油（現在のENEOS）、日本郵船などの出資によって上五島石油備蓄株式会社が設立されました。そして1984年に備蓄基地の建設が始まり、1988年9月に完成し、1989年1月には原油の充填が完了しました。

その後、2004年2月には石油備蓄事業が国直轄事業へと移行し、上五島石油備蓄株式会社は石油公団からの委託で操業管理を行う体制に変わりました。この際、同社は資本金を100億円から1億円に減資し、新日本石油（現ENEOS）、日本郵船、長崎県が新たな出資主体となる3株主体制へと変貌を遂げました。また、この年の2月には本社を横浜市へ移転しました。

重要な役割

上五島国家石油備蓄基地は、日本のエネルギー供給において重要な役割を果たしています。国内における石油の安定供給を確保するための基盤として、多くの期待が寄せられています。これにより、国民の生活はもちろん、経済活動にも大きく寄与することが求められています。今後もこの施設がエネルギーの安定供給を支える存在であり続けることが望まれます。

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