上京警察署

上京警察署（かみぎょうけいさつしょ）

上京警察署は、京都府警察に属する警察署の一つです。京都市上京区を管轄しており、中規模ながらも署長には警視正が就き、約150名の署員が地域の安全確保と治安維持にあたっています。この警察署は、2007年（平成19年）4月1日に、当時の西陣警察署と中立売警察署が統合されて発足しました。現在の庁舎は、統合前の西陣警察署の建物を引き継いで使用しています。

所在地と管轄区域

警察署の所在地は、京都市上京区御前通今小路下る馬喰町692番地1です。

発足以来、管轄区域は京都市上京区の全域となっています。

沿革

上京警察署の歴史は、日本の警察制度、特に戦後の変遷と深く関連しています。1955年（昭和30年）7月1日には、それまで各市が運営していた市警察が、京都府警察に統合されました。

大きな転換点となったのは、京都府警察が推進した警察署の再編整備計画です。2007年（平成19年）4月1日、上京区内にあった西陣警察署と中立売警察署が統合されることになり、西陣警察署が名称を「京都府上京警察署」と改めました。これにより、上京区全域の警察事案は上京警察署が一手に管轄することになりました。この再編の際、従来西陣警察署が担当していた区域の一部は、北区内については北警察署へ、中京区内については堀川警察署へそれぞれ管轄が移されました（後に中京区全域は新設された中京警察署の管轄に変更されています）。

内部組織

上京警察署には、多岐にわたる警察業務に対応するため、以下の主要な部署が設置されています。

会計課：会計係
警務課：警務係、留置管理係、犯罪被害者支援係、広聴・相談係
生活安全課：生活安全係、人身安全・少年係
地域課：地域第一係、地域第二係、地域第三係、地域管理係
刑事課：捜査管理係、強行・盗犯係、知能・組織犯罪対策係
交通課：交通係
警備課：警備係

これらの部署が連携し、犯罪捜査、交通指導、地域住民の安全対策など、様々な警察活動を展開しています。

交番

管轄区域である上京区内には、地域住民にとって最も身近な警察の拠点として、以下の交番が設置されています。

千本中立売交番（上京区中立売通千本西入亀屋町693-3）
今出川大宮交番（上京区今出川通大宮上る観世町142）
大宮頭交番（上京区大宮通寺之内上ル二丁目仲之町500-2）
下立売交番（上京区下立売通智恵光院角中村町531・532-1・533合地）
室町中立売交番（上京区中立売通室町東入東町431）
上御霊前交番（上京区烏丸通上御霊前下ル相国寺門前町647-20）
出町交番（上京区河原町通今出川上ル青竜町200）

各交番では、パトロールや巡回連絡、拾得物・遺失物の取り扱い、各種届け出の受理などを行い、地域の安全センターとしての役割を担っています。

主な事件

上京警察署に関連する出来事の中で、特に社会的な関心を集めた事件として、1978年（昭和53年）に発生した署内からの拳銃盗難事件が挙げられます。同年7月17日、警察署内の拳銃保管庫から拳銃1丁が盗まれるという衝撃的な事件が発生しました。この拳銃は同月22日に発見されましたが、犯行に関与したのは、当時十二坊警察官派出所に勤務していた同署の巡査部長、廣田雅晴でした。廣田は7月23日に逮捕され、その後の捜査で、盗んだ拳銃を使った郵便局強盗などの犯行も明らかになりました。彼は大阪高等裁判所で懲役7年の実刑判決を受け服役しましたが、1984年（昭和59年）8月30日に仮出獄した後、わずか5日後の9月4日には、かつて勤務していた十二坊警察官派出所で巡査を殺害して拳銃を奪い、さらにその拳銃を用いて大阪市都島区の消費者金融店で強盗殺人事件を起こすという凶悪な再犯を犯しました。廣田はこれらの事件により刑事裁判で裁かれ、1998年（平成10年）に死刑判決が確定しています。この一連の事件は、警察官による重大犯罪とその後の再犯という点で、社会に深い衝撃と影響を与えました。

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