下立売通

下立売通（しもだちうりどおり）

京都市内を東西に走る下立売通は、東は京都御苑西縁の烏丸通から、西は右京区花園木辻南町で丸太町通に合流する全長約3.3kmの通りです。この通りは、烏丸通から堀川通の間は2車線ですが、堀川通以西は一方通行の1車線となります。沿道には、京都府庁、法輪寺（通称達磨寺）、妙心寺、法金剛院などの歴史的な寺社や施設が点在しています。

歴史

下立売通の一部は、平安京の時代には勘解由小路（かげゆこうじ）の一部でした。豊臣・徳川時代には、御所周辺の公家町の形成に伴い、通りは変化しました。17世紀後期には、東端が間之町通にまで達していたことが記録されています。宝永5年（1708年）の「宝永の大火」後の復興では、公家屋敷の拡大により通りが閉塞された時期もありました。宝暦12年（1762年）には、東は烏丸通まで、西は紙屋川までと記述されています。紙屋川以西については、大正時代の京都市都市計画図に、花園村花園字南町（現在の花園木辻南町）まで続いていることが示されています。

また、明治28年（1895年）から大正15年（1926年）まで、烏丸通と堀川通の間には、京都市電の前身である京都電気鉄道の路面電車が運行していました。

上ノ下立売通（かみのしもだちうりどおり）

下立売通の北側に並行する妙心寺道（みょうしんじみち）は、かつて下立売通と呼ばれていました。この通りは、寛永年間（1624年 - 1644年）の『洛中絵図』にも記されており、御前通を東端とし、御土居の「袖」と呼ばれる部分を通って洛外に通じていました。烏丸通からの下立売通の北側に位置することから、上ノ下立売通（かみのしもだちうりどおり）と呼ばれ、昭和3年（1928年）に、現在の妙心寺道に改称されました。しかし、「上ノ下立売通」という旧名称は、現在も公的な住所の表記に使用されています。

現在の妙心寺道（上ノ下立売通）は、東は御前通から西は府道花園停車場御室線まで、全長約1.9kmです。西大路通から妙心寺門前までは、府道花園停車場大将軍線に該当します。沿道には、弘誓寺、妙心寺、法金剛院などがあります。

妙心寺道は、妙心寺正門前を通り、法金剛院西側を南下し、丸太町通と交差する地点まで進みます。そこで一旦途切れますが、花園駅前から山陰本線南に沿って作られた新道を進み、天神川通の花園黒橋陸橋をくぐり、常盤方面へ続いて右京区嵯峨瀬戸川町まで伸びています。

この丸太町通での上ノ下立売通の途切れは、山陰本線の二条駅～花園駅間の複線高架化工事に伴い、交差点を直進していた道路が盛土のために廃止されたためです。かつて、丸太町通の西端が西ノ京円町だった頃、この通りは右京区へ伸びる重要な生活道路でしたが、道幅が狭く、特に路線バスの通過時に渋滞が頻発していました。この状況は、1966年の丸太町通西延まで解消されませんでした。

沿道の主な施設

京都御苑
平安女学院中学校・高等学校
文化庁
京都府庁
法輪寺（だるま寺）
京都上労働基準監督署
花園中学校・高等学校
妙心寺
法金剛院
JR山陰本線 - 花園駅
京都府立嵯峨野高等学校
JR山陰本線 - 嵯峨嵐山駅

脚注

参考文献
千宗室・森谷尅久監修 編『京都の大路小路』小学館、1994年。ISBN 978-4-09387-105-1。
佐和隆研、奈良本辰也、吉田光邦他 編『京都大事典』淡交社、1984年。ISBN 4-473-00885-1。
林屋辰三郎、村井康彦、森谷尅久 編『京都市の地名』平凡社〈日本歴史地名大系27〉、1979年。ISBN 4-582-49027-1。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 26 京都府』 上巻、角川書店、1982年。ISBN 4-040-01261-5。
京都市 編『京都市 都市計画街路・道路』2000年。

関連項目
京都市内の通り
上立売通
中立売通

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