上信電鉄7000形電車

上信電鉄7000形電車

上信電鉄7000形電車は、2013年に運行を開始した新しい電車です。これは、老朽化した既存の車両を置き換える目的で導入されました。上信電鉄は、東急8090系や東武8000系などの車両を検討していましたが、廃車のタイミングが合わなかったため、自社発注による新型車両の導入が決まりました。特に、富岡製糸場が世界遺産に登録されることが期待されていたため、観光需要も見越した対応です。

新型車両の導入にあたり、製造費用は国からの補助金を利用し、地域自治体からの拠出もありました。新潟トランシスによって製造され、2013年にはまず制御車のクハ7501が到着、続いて電動車のクモハ7001が半年後に運行を開始しました。初めはクリーム色の車両で運行されていましたが、新駅舎の完成に伴い、車両のデザインが変更されました。

車両の特徴

7000形電車は、事故時の補修を考慮して普通鋼製の車体を採用しています。全長20メートルの客用車両は、片運転台で両側には扉を備えており、特に無人駅での運転手の料金授受を考慮して扉が端に寄っています。前面デザインは湘南型と呼ばれ、中央に大型の窓が特徴です。また、運転台は左側に設けられたのが初めての試みとなっています。

側面の窓は一部が二段窓で開閉が可能です。窓ガラスには熱線吸収やUVカットの機能があり、加えてフリーストップ式のカーテンも設置されています。内装については、観光仕様としてドア間はボックスシートの配置がなされており、バリアフリーに対応した車椅子スペースも用意されています。また、広い貫通路が設けられ、両開き式の貫通扉が特徴です。

主要機器

電車には、東芝製の最新の制御装置が搭載されています。故障時には主回路ユニットを切り替える機能があり、走行中の安定性が確保されています。また、電動空気圧縮機や主電動機も各社から選ばれた高性能なものが搭載されています。特に、回生ブレーキの補完も考慮された設計が施されています。

運転の特徴としては、固定ダイヤで運行を開始しましたが、現在は他の車両とも共通運用されることが多いです。現状、クモハ7001のパンタグラフについても不具合が発生していたが、回復し、再び正常運行を行っています。しかし、2022年に発生した事故の影響で一時運用を外れたこともありました。

まとめ

上信電鉄7000形電車は、地域の観光需要に応じつつ、技術的な進化を取り入れた現代的な設計がなされています。観光地へのアクセスや地域貢献を目的としつつ、安全性や快適性も考慮された車両です。その運用が今後も順調であることを期待したいと思います。

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