上厚真駅

上厚真駅（廃駅）と日高本線上厚真駅（未成）

上厚真駅は、かつて北海道勇払郡厚真村（現在の厚真町）に存在した鉄道省富内線の廃駅です。ここでは、その歴史と、幻となった日高本線上厚真駅の計画について解説します。

上厚真駅（富内線）

歴史

1922年（大正11年）7月24日：北海道鉱業鉄道（後の北海道鉄道（2代））金山線の駅として開業。開業当初の読み方は「かみあづま」でした。
1924年（大正13年）3月3日：鉄道会社名が北海道鉄道（2代目）に改称され、同鉄道の駅となります。
1943年（昭和18年）8月1日：戦時買収により国有化、富内線の駅となると同時に読み方が「かみあつま」に変更。
1943年（昭和18年）11月1日：不要不急線として営業休止となり、そのまま廃止。

駅周辺

日本石油軽舞石油鉱（駅から約8キロ。駅までパイプラインを引く計画がありました）
上厚真尋常小学校（1923年設立）

利用状況

1923年（大正12年）1月～12月の乗降者数：5,688人（1日あたり約16人）

隣の駅

鉄道省 富内線
静川駅 - 上厚真駅 - 入鹿別駅

日高本線上厚真駅（未成）

1972年（昭和47年）10月、苫小牧東部大規模工業基地開発に伴い、日高本線の付け替えが計画されました。これは、掘り込み水路の新設が日高本線の運行に支障をきたすため、北海道知事から国鉄北海道総局に要請されたものです。

この計画では、日高本線は以下のルートで移設される予定でした。

1. 苫小牧駅から室蘭本線と並走
2. 沼ノ端駅の手前で勇払駅方面へ分岐していた現行ルートから、沼ノ端駅に乗り入れる新ルートに変更
3. 国道235号（実際に移設）と同様に工業基地の緩衝緑地を迂回
4. 厚真川の手前で南下し渡河
5. 現在の浜厚真駅を少し過ぎた地点で現在線と合流

この新線には、以下の駅・信号場が設置される予定でした。

沼ノ端駅（既存駅）
柏原信号場（苫小牧市柏原地区）
上厚真駅（無人駅、厚真町上厚真地区の西の外れ、苫小牧起点22.2km地点）

この計画では、既存の勇払駅と浜厚真駅は廃止される予定でした。

しかし、苫東地区開発の縮小により、日高本線の移設は実現しませんでした。

隣の駅（計画）

日本国有鉄道 日高本線（新線、未成）
沼ノ端駅 - （柏原信号場） - 上厚真駅 - 浜田浦駅

脚注

参考文献

今尾恵介（監修）『日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道』新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790019-7。

関連項目

日本の鉄道駅一覧

外部リンク

* 1944年（廃止1年後）撮影航空写真（国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス）。駅舎は撤去されています。

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