上坊良太郎

上坊良太郎の生涯と業績

上坊良太郎（じょうぼう りょうたろう）は、1916年に滋賀県で生まれ、2012年に96歳で逝去した大日本帝国陸軍の軍人でありエース・パイロットです。彼の軍歴は、昭和初期から太平洋戦争を経て戦後にかけての多くの歴史的な出来事と共にありました。最終的には陸軍大尉にまで昇進し、その卓越した操縦技術と戦果によって名を馳せました。

軍歴の始まり

1934年、上坊は18歳で陸軍少年飛行兵第1期生として所沢陸軍飛行学校に入学。その後1935年に卒業し、平壌にある飛行第6連隊に配属されます。この時期に基礎を固め、1936年には明野陸軍飛行学校で戦闘機操縦者としての教育を受けました。ついに、1937年には日中戦争に参加し、その名声を高めていきます。特に、1937年9月21日には九五式戦闘機を操縦し、中国空軍のI-15を撃墜して初の戦果を挙げます。

ノモンハン事件と戦闘機エースへの道

1939年、上坊はノモンハン事件に参加し、ここでソ連軍と交戦。その戦闘で18機ものソ連の戦闘機を撃墜し、エース・パイロットとしての地位を確立しました。戦後、昭和15年には陸軍航空士官学校に入校し、少尉に任官した後には満州国で飛行第33戦隊に配属されました。

太平洋戦争と防空任務

1942年以降、上坊は中国方面に派遣され、数々の航空戦闘を経験しました。特にアメリカ陸軍航空軍との対戦では、桂林や衡陽で激しい空中戦を繰り広げました。そして、1944年には戦闘機操縦の教官としての職務も担い、スマトラ島での訓練日本を指導しました。日本本土へのB-29の攻撃に対しても迎撃戦を展開し、彼の独創的な戦法「失速反転攻撃法」を駆使し、数機のB-29を撃墜しました。

戦後の生活と著作

1945年の沖縄戦を終えた上坊は戦後は名古屋に在住し、航空自衛隊に仕官。その後、様々な著作を手掛け、自己の軍歴や戦闘体験を語り継いでいきます。代表的な著作には、自らの戦歴や航空戦をテーマにした「五つの空」や「わか「九五・九七戦」大陸の空を制霸す」などがあり、彼の戦闘機パイロットとしての迫真の体験が描かれています。

最後の時まで

2012年8月13日、上坊は96歳で他界しました。彼の残した記録や著作は、当時を体験した世代にとって貴重な証言であり、また次世代への教訓にもなっています。上坊良太郎の物語は、航空戦の歴史を語る上で欠かせない重要な一環です。彼の勇敢な行動と知られざる戦闘機パイロットの姿は、後世に語り継がれるべきものとなるでしょう。

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