上安 (広島市)

上安（かみやす）

上安は広島市安佐南区に存在する歴史ある地名であり、近隣には雄大な自然が広がる地域です。このエリアは北部に荒谷山、野戸呂山、南に武田山を抱えた自然環境に恵まれた地形をしています。そのため、歴史的な観点からも古くは伊福郷の一部として、安川流域一帯に発展してきました。

歴史的背景

上安村は江戸時代から存在する村名で、かつては安芸国沼田郡に属していました。明治時代に入ると、村の合併が進み、1889年には上安村を含むいくつかの村が合併して沼田郡安村が誕生しました。このように、地域の構成がゆっくりと変化する中、上安村はその名を維持し続けました。

戦後の1955年には安佐郡古市町と合併し、安古市町となり、1973年には広島市と合併しました。広島市が政令指定都市に指定された1980年には、広島市安佐南区上安として定義され、その後1984年の住居表示変更により、現在のように上下安、安東、毘沙門台といった地域名が確立されました。

文化財と神社

上安地域にはいくつかの重要な文化財が点在しています。その中でも特に目立つのが田中山神社で、この神社は武田信宗が鬼門を除くために建立したと伝わっています。この神社では八幡神、仁徳天皇、菅原道真といった神々が祀られています。

さらに二ノ宮八幡神社もこの地の歴史を語る重要な施設であり、南部兵庫助が在城した際に創設されました。1523年に山崩れの被害を受けましたが、その後1850年に現在の場所に移転されました。他にも鶏頭原薬師堂は武田氏の祈願所として知られ、行基作とされる本尊薬師如来が安置されています。

主な施設と交通

上安には多くの公共施設が所在し、地域住民の生活を支えています。安佐南消防署上安出張所や安公民館、広島市立まんが図書館あさ閲覧室があり、教育機関としては安小学校、上安小学校、安東小学校などが設置されています。また、安田女子大学もこの地域にキャンパスを構えています。

交通面では広島高速交通のアストラムライン（上安駅、安東駅）や広電バス、広島交通の路線が利用可能で、県道も複数通っています。これにより、この地域は非常にアクセスが良く、多くの人々に利用されています。

地域の魅力

上安は歴史的な背景が深く、自然環境が豊かであることから、多くの人々が住む魅力的な地域です。広島市の中でも静かで落ち着いた雰囲気が漂っており、教育機関も多いため子育て環境としても注目されています。また、文化財や伝統行事も数多く残されており、地域のアイデンティティを大切にしています。

現在でも地元の方々が地域を守り、発展させている上安は、広島市の地方文化を象徴する場所であり、観光スポットとしても潜在能力を秘めています。

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