上山安敏

上山 安敏

上山安敏（うえやまやすとし、1925年5月1日 - 2021年10月28日）は、法制史学の分野において顕著な業績を残した日本の学者であり、特に西洋法制史、法社会史、法思想史を専門としていました。彼は京都大学の名誉[[教授]]であり、多くの教え子を育て、その影響力は現在まで続いています。

経歴

上山は兵庫県で生まれ、1944年には徴兵されて戦地に出征しましたが、1949年11月にシベリアから復員して帰国しました。1953年には京都大学法学部を卒業し、その後大学院で更なる学びを深めました。1956年には京都大学法学部の助手として就職し、1958年に助[[教授]]に昇進しました。1976年には学位論文「ドイツ官僚制成立論」を提出し、法学博士号を取得しました。その後、1966年には教授に昇進し、1989年には正式に定年退官。その後、奈良産業大学法学部で教鞭を執り、2000年に退任しました。2021年に96歳で逝去し、叙従四位が与えられました。

研究内容・業績

上山は法制史を社会史的手法で研究し、特に法社会史の分野で多くの独創的な論文や著作を発表しました。彼の研究は、マックス・ヴェーバーや、バッハオーフェン、さらにはユダヤ人の歴史などに多岐にわたり、大きな影響を与えました。

彼の指導を受けた学生には、ドイツ法制史を専門とする河上倫逸や黒田忠史、西村稔、平田公夫、吉川直人、佐野誠、牟田和男、井上琢哉、フランス法制史を学ぶ中村義孝、野上博義、石井三記、波多野敏、イギリス法制史を研究する深尾祐造などがいます。さらに、彼は西洋法制史にとどまらず、日本法制史、ローマ法、法哲学の研究者も輩出しました。また、NHKのアナウンサーである野村正育も上山の指導を受けています。

主な著作

上山は数多くの著作を残しており、いくつかの代表作を以下に挙げます:

• - 『ドイツ官僚成立論』（有斐閣、1964年）
• - 『法社会史』（みすず書房、1966年、増補版1987年）
• - 『憲法社会史』（日本評論社、1977年）
• - 『ウェーバーとその社会』（ミネルヴァ書房、1978年）
• - 『神話と科学－ヨーロッパ知識社会　世紀末―20世紀』（岩波書店、1984年）
• - 『フロイトとユング－精神分析運動とヨーロッパ知識社会』（岩波書店、1989年）
• - 『宗教と科学－ユダヤ教とキリスト教の間』（岩波書店、2005年）

また、編著や共編も行い、他の学者との共同プロジェクトにも積極的に参加しました。

上山安敏の研究と著作は、法制史や社会史の学問に多大な影響を及ぼし、後世の学者たちに多くの知見と洞察を提供し続けています。

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