上毛郡

上毛郡の概要

上毛郡（こうげぐん）は、福岡県に位置していた歴史的な郡で、1878年に行政区画として設立されました。当初の郡域は、現在の豊前市の大部分（松江・畠中・中村・馬場・畑を除く）、築上郡吉富町と上毛町の全域、さらに大分県中津市の一部を含んでいました。

歴史的背景

上毛郡の起源は古代まで遡り、かつては三毛郡（みけのこおり）として知られていました。後に山国川を境にして上三毛郡と下三毛郡に分かれ、さらに上毛郡と下毛郡となりました。大化の改新以前には、上膳県主の存在もあり、地域はすでに分かれていたことが考えられています。現代においても、上毛郡と隣接する旧下毛郡（現在の大分県中津市）との間には深い文化的な繋がりがあります。

2005年には新吉富村と大平村が合併し、新たに「上毛町」と名付けられ、この名は古い郡名に由来しています。

近世以降の沿革

上毛郡の沿革は、明治初年の「旧高旧領取調帳」において確認することができます。明治2年には藩の移転があり、新たに千束藩などが設立され、翌年には廃藩置県が実施されました。この過程で、豊津県、千束県、中津県の管轄となり、最終的には明治9年に福岡県の管轄となりました。

明治5年から始まった町村の統合や分立も注目すべき点で、いくつかの村が新たに分立・合併しながら、行政区画が整理されていきました。1878年11月には郡区町村編制法の施行により、正式に上毛郡が成立し、そこで設置された「築城上毛郡役所」が八屋村に置かれました。

町村制の施行とその後

1889年、町村制が施行されると、上毛郡内に新たに2町13村が設定されました。その後も多くの行政区画の変更があり、いくつかの地域は他の郡や県に編入されました。例えば、1896年には高浜村の一部が大分県下毛郡中津町に編入されるなど、地域の統合や分離が進みました。

郡制が導入される際には、「築城上毛郡役所」の管轄区域が築上郡として独立し、その際に上毛郡は廃止されました。上毛郡はその地域に特有の文化と歴史を持った存在であり、現在でもその名残を感じることができます。

行政機関と参考文献

築城・上毛郡長をはじめとする行政機関が郡の運営を担い、地域の発展に寄与してきました。郡の詳細な歴史については、角川日本地名大辞典や旧高旧領取調帳データベースを参照することができます。

上毛郡は歴史的な背景を持つ郡であり、地域文化の発展に影響を与える要素を数多く有しています。その変遷を振り返ることで、福岡県の地域史における重要な一端を理解することができるでしょう。

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