上沖町

上沖町（かみおきまち）

群馬県前橋市に属する上沖町は、郵便番号が371-0052の地域です。2013年時点での面積は約0.72平方キロメートルを有しています。

地理

この地域は、地理的に見ると広瀬川によって形成された低地帯と、雄大な赤城山の裾野が接する、いわば境目のあたりに位置しています。地域の南側には桃ノ木川が流れており、その他にも竜の口川ややつ川といった河川が地域内を潤しています。

歴史

上沖町の歴史は古く、江戸時代には既に「上沖之郷」（かみおきのさと）という名称で知られていました。この地は、下沖之郷（しもいもりのさと）と合わせて「沖之郷」という一つの村を形成していた時期もあります。その支配権は時代の流れとともに目まぐるしく変遷しました。当初は前橋藩の所領でしたが、明和年間（1764年～1772年）には幕府直轄領（天領）となり、その後、天明6年（1786年）には旗本である岩本氏の知行地となります。慶応元年（1865年）には再び幕府領となり、岩鼻支配所の管轄下に入りますが、明治元年（1868年）には再び前橋藩の管理下に置かれ、そのまま廃藩置県を迎えることになります。

明治維新後の地方制度の再編に伴い、明治22年（1889年）4月1日に町村制が施行されると、上沖之郷は上泉村、江木村、堤村、亀泉村、堀之下村、石関村、東片貝村、西片貝村、幸塚村、下沖之郷、荻窪村、三俣村といった近隣の村々と合併し、南勢多郡桂萱村の一部となりました。この際、それまでの「上沖之郷」は「大字上沖」と改称されています。さらに明治29年（1896年）4月1日には、南勢多郡と東群馬郡の統合により桂萱村は勢多郡に所属することになります。昭和29年（1954年）4月1日、桂萱村は上川淵村、下川淵村、芳賀村、東村、元総社村、総社町といった周辺の1町5村と共に前橋市へ編入され、この時に現在の「前橋市上沖町」という地名が誕生しました。その後、昭和52年（1977年）には町域の一部が三俣町として分離されています。

また、比較的新しい動きとしては、平成5年（1993年）に群馬県立医療短期大学が当町に開学し、平成17年（2005年）にはこの短期大学が改組され、群馬県立県民健康科学大学となっています。

地名の由来

「沖」という地名の由来については、古くこの地に利根川が流れていた頃、その流れによって形成された「沖積地」、あるいは川の流れが作る「沖」であったことに由来すると考えられています。

交通

地域内に鉄道駅はありません。道路については、地域を縦断するような国道は通っていませんが、群馬県道76号前橋西久保線が主要な県道として通じています。

主な施設

教育機関としては、群馬県立県民健康科学大学や群馬大学共同教育学部附属中学校、そして前橋市立桃木小学校があり、文教地区としての顔も持っています。その他、認定こども園もものきや、旧村社である神明宮などがあります。神明宮は、天明6年には大黒天を祀ったという記録も残されています。

参考文献

この記述の作成にあたっては、『角川日本地名大辞典 10 群馬県』、『桂萱村誌』、『勢多郡誌』、『前橋市史』などを参考にしています。

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