上甑町中甑

鹿児島県薩摩川内市上甑町中甑について

上甑町中甑（かみこしきちょうなかこしき）は、鹿児島県薩摩川内市に位置する地域で、甑島列島に属する上甑島の南部に位置しています。かつては上甑村の中心地として栄え、村役場や中学校が置かれていました。現在では薩摩川内市の一部となり、市役所の甑島振興局などが置かれています。

地理

上甑町中甑は、上甑島の南部に位置し、北に小島、瀬上、南に江石、南西に平良、東に中野、里と隣接しています。集落は、茶ノ木、野林、下町、村町、横町、中町、新町の各地区に分かれ、かつて郷士が住んでいた麓と呼ばれる地域と、浜と呼ばれる地域があります。中甑港周辺には、小学校、休校中の旧中学校、市役所甑島振興局、簡易裁判所、警察署の派出所があり、上甑地区の中心となっています。

地名の由来

中甑という地名は、詳細な由来は不明ですが、甑島で最も平地が広く、田畑も多いことから、江戸時代には甑島郷の地頭屋敷が置かれ、島の中心地となっていたことに由来すると推測されています。

自然と景観

甑島列島は2015年に国定公園に指定され、上甑町中甑もその区域に含まれています。集落を除いたほぼ全域が国定公園内であり、一部が特別地域に指定されています。遠目山などの山々や、中島、黒岩などの島嶼、岩礁があり、豊かな自然環境が保たれています。また、中甑には気象観測所が設置されており、地域の気象データが収集されています。

歴史

江戸時代には薩摩藩の甑島郷の一部であり、地頭屋敷が置かれていました。測量家の伊能忠敬も訪れており、当時の家数などが記録されています。明治時代に入り、大区小区制や町村制の施行を経て、上甑村の一部となり、1885年には郵便局が設置されました。1892年には甑島分署が中甑に移転し、1899年には川内区裁判所の出張所が置かれました。2004年に上甑村が薩摩川内市と合併した際に、大字名が「上甑町中甑」に改称されました。

施設

上甑町中甑には、薩摩川内市役所甑島振興局、甑島簡易裁判所、薩摩川内警察署甑島幹部派出所、鹿児島県北薩[[地域振興局]]甑島庁舎、薩摩川内市消防局上甑分駐所、図書館、郷土館などの公共施設があります。また、小中学校、幼稚園、郵便局、寺社、発電所などの施設も地域住民の生活を支えています。

教育

上甑町中甑には、「薩摩川内市立中津小学校」と「薩摩川内市立中津幼稚園」があり、かつては「薩摩川内市立上甑中学校」がありましたが、現在は休校中です。中学生は、薩摩川内市立里中学校に通学しています。高等学校は甑島にはなく、島外の学校へ進学する生徒が多いのが現状です。

交通

地域内には県道348号線、351号線が通っており、中甑港を中心にバス路線も整備されています。「甑かのこゆりバス」が運行しており、島内各地へのアクセスが可能です。

小字

上甑町中甑には、懐、宮田、渡り口、上ノ神、水樽、前田、中津串、中通、橋ノ元、大良、愛宕、茶ノ木、通山、奥戸、桃林、水深、山口、馬道、椎貝、筒口、縄立、黒岩、中川原、中島といった小字が存在しています。

人口

1995年以降の国勢調査によると、人口は減少傾向にあり、2020年現在で401人、221世帯となっています。

まとめ

上甑町中甑は、豊かな自然、歴史的背景、地域住民の生活を支える施設がバランスよく存在する地域です。甑島国定公園に指定された景観や、地域に根付いた文化を守りながら、現代の生活が営まれています。教育機関や公共交通機関も整備されており、島の中心部としての役割を果たしています。

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