上田真樹

上田真樹

上田真樹（1976年6月4日 - ）は、日本の作曲家。
東京都出身。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、桐朋学園大学、国立音楽大学で非常勤講師を務める。

経歴

5歳よりピアノを始め、東京都立芸術高等学校音楽科作曲専攻を経て東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学（ソルフェージュ）博士課程を修了。
作曲を高橋裕、加藤徹也、川井學に師事。ピアノを秋庭津代子、森正、小林睦子に、指揮法を村方千之に師事。

2001年、『四つの小曲』で第8回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第二位入賞。2007年には、混声合唱とピアノのための組曲『鎮魂の賦』で第18回朝日作曲賞を受賞。

博士論文「明治初期における西洋音楽用語の創成－瀧村小太郎と音楽取調掛－」での研究成果を基に、日本現代音楽協会機関誌『New Composer』第8号より「明治楽語事始」を連載。

2019年からは、朝日作曲賞審査員を務める。

現在、東京藝術大学および附属高等学校、国立音楽大学、桐朋学園大学で非常勤講師として後進の指導にあたっている。

作風

合唱曲を中心に作曲活動を展開しており、その作品は合唱の世界で広く親しまれています。国文学者・林望の影響を強く受けており、林の詩に曲を付けることが多いのが特徴です。青島広志や野平一郎らと共に、林の詩のみを用いたコンサートも開催しています。

博士論文も林との関係から着想を得たものであり、上田の作風は、林が提唱する「美しい曲」「通俗性のある曲」という理念に沿った、調和のとれた美しいハーモニーが特徴です。

上田自身も「詩を届けるためにどういう歌が書けるか」を意識しており、詩からインスピレーションを得て作曲することが多いと語っています。器楽曲においても、歌を書きたいという強い気持ちを持っているといいます。

山田和樹からは「伝説」と称されるほどの遅筆家としても知られており、作曲に際しては細心の注意を払っています。最後まで構成が見えないと音符を書き始められないという慎重な姿勢が、その作品の完成度を高めていると言えるでしょう。

主な作品

『管絃小四頌』（2005）
『かなしみのそうち』〜朗読とうたのための〜(2006)
混声/女声/男声合唱とピアノのための組曲『夢の意味』(2007 / 詩：林望)
混声合唱とオーケストラのための組曲『夢の意味』(2012 / 詩：林望)
『抒情小組曲』〜フルートとピアノのための〜(2007)
混声/男声合唱とピアノのための組曲『鎮魂の賦』(2007 / 詩：林望)
男声合唱組曲『稲風』（2007)
男声/混声合唱曲『酒頌』(2008)
オーケストラのための『あけぼの』(2008)
混声合唱組曲『遠くへ』(2012 / 詩：谷川俊太郎)
組曲『時間』～無伴奏混声合唱のために～(詩：林望)
男声合唱組曲『終わりのない歌』(2011 / 詩：銀色夏生)
合唱組曲『花と風と』(2014年 / 詩：岸田衿子)
混声合唱組曲『野辺に咲く花』(2015年 / 詩：林望)
混声合唱組曲『終わりのない歌』(2017 / 詩：銀色夏生)
合唱曲 『あめつち』

NHK全国学校音楽コンクール関連

『茜色の約束』（2009年度中学校の部スペシャルステージ演奏曲（編曲。作詞・作曲：水野良樹））
『I ♥ ×××』（2010年度中学校の部課題曲（編曲。作詞・作曲：大塚愛））
『フレンズ』（2010年度中学校の部スペシャルステージ演奏曲（編曲。作詞・作曲：大塚愛））
『僕が守る』（2011年度高等学校の部課題曲（作詞：銀色夏生））
* 『ポジティブ太郎〜いつでも始まり〜』（2018年度高等学校の部課題曲（作詞：つんく♂））

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