上田稔

上田 稔の生涯と業績

上田稔（うえだ みのる、1914年5月8日 - 2011年9月17日）は、日本の官僚、政治家として重要な役割を果たし、特に建設分野で多くの業績を挙げた人物です。京都府京都市で生まれた彼は、1938年に京都帝国大学工学部土木工学科を卒業し、内務省に入省しました。この年には、日本が日中戦争に突入し、彼もその影響を受けることとなりました。

1939年に召集され、陸軍として華北方面で戦闘に参加、その後1944年に復員しました。復員後は、大阪府土木部で道路や河川関連の業務に従事し、戦後は建設省に転職しました。彼のキャリアは、河川局治水課長補佐、近畿地方建設局河川部長、水資源開発公団関西支社長、九州地方建設局長、近畿地方建設局長など、さまざまな役職を経て進展していきました。

1964年には河川局長に就任し、自らの専門分野での貢献を続けましたが、1968年には退官し、同年7月には自由民主党から全国区で参議院選挙に出馬し、初当選を果たしました。彼はその後も2期続けて当選し、1978年には京都府選挙区の補欠選挙で再び当選し、通算4回の当選を達成しました。

政治家としての在職中、上田は、北海道開発政務次官や参院地方行政委員長などの役職を務めました。さらに、1983年には第2次中曽根内閣の環境庁長官として内閣入りを果たし、学識や経験を活かした政策に寄与しました。1987年から1993年までの間は、日本技術士会の第12代会長としても活躍し、技術士としての責任を果たしました。

1986年の第14回参議院議員通常選挙には出馬せず、政治活動を引退しましたが、その後も自由民主党京都府支部連合会の顧問として、政治や社会への貢献を続けました。

上田稔は、2011年9月17日に京都府長岡京市の自宅にて肺炎のため逝去しました。享年97歳という長寿を全うし、その業績により従三位に叙されました。彼の生涯は、日本の建設分野や政治に多大な影響を与え、多くの後進に道を示したと言えるでしょう。

脚注

上田稔の経歴や業績については、彼が参加した多くの事業や施策が資料として残っています。また、彼に関連する文献や資料は、多くの研究者や政治学者により継続的に評価されています。彼の貢献は、単に政治的な領域にとどまらず、工学や土木の進展においても重要な役割を果たしたと考えられています。

参考文献

• - 「日本技術士会創立50周年記念誌」（2001年6月、日本技術士会創立50周年記念誌編集小委員会）
• - 高橋裕、藤井肇男共著『近代日本土木人物事典: 国土を築いた人々』（鹿島出版会、2013年）

外部リンク

上田稔 略歴 - 自由民主党京都府支部連合会

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