上茶路駅

上茶路駅とは

上茶路駅（かみちゃろえき）は、かつて北海道白糠郡白糠町上茶路に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）白糠線の鉄道駅でした。白糠線自体の廃止に伴い、1983年にその歴史に幕を閉じました。

歴史

この駅は、1964年（昭和39年）10月7日に白糠線の白糠駅と当駅の間が開通したことに合わせて開業しました。開業当初は貨物や荷物も扱う一般駅として、地域の輸送を担っていました。

駅周辺には雄別炭鉱上茶路鉱があり、その活動と深く関わっていましたが、1970年（昭和45年）4月にこの炭鉱が閉山したことは、駅の利用状況にも影響を与えたと考えられます。

開業からしばらく終着駅でしたが、1972年（昭和47年）9月8日に当駅からさらに北進駅まで路線が延伸されたことで、中間駅となりました。

時代の流れとともに、駅の取扱業務は縮小されていきました。1974年（昭和49年）3月31日には荷物の取扱いが廃止され、同時に駅員が配置されない無人駅（簡易委託による乗車券販売は継続）となりました。続いて、1978年（昭和53年）10月1日には貨物の取扱いも終了し、旅客専業駅となります。

そして、特定地方交通線に指定されていた白糠線が廃止されることになり、1983年（昭和58年）10月23日、白糠線の全線廃止とともに、上茶路駅もまた廃駅となりました。

駅名の由来

駅の名称は、その所在地の地名である「上茶路」に由来しています。この地名は、地域を流れる茶路川の比較的上流に位置することから名付けられたとされています。

駅構造

駅が廃止される直前の時点では、地上駅として、1面の島式ホームの片側だけを利用する1線を有する構造でした。かつて貨物を取り扱っていた名残として、複数の側線が残されていましたが、その大部分は転轍機が撤去されるなど、使用できる状態ではありませんでした。ホームは線路の東側に設けられており、上屋も備わっていました。駅自体は無人化されていましたが、開業時からの駅舎は廃止時まで残存し、簡易委託による乗車券の販売が行われていました。

利用状況

上茶路駅の乗車人員に関する具体的な数値は提供されていませんが、年間を通じた乗車人員の推移が記録されていたようです。

駅周辺

駅周辺には、北海道道665号上茶路上茶路停車場線と国道392号が通っています。駅前広場と国道392号を結ぶ北海道道665号は約50メートルほどの短い区間ですが、廃止から時間が経過するにつれて未舗装路となり、草木が生い茂って、国道側からの進入路が判別しにくい状態になっています。駅付近は、荒地や雑木林が広がるほか、目立つ人工物はほとんど見られません。

駅跡の現状

駅が廃止されてから年月が経ちましたが、2010年（平成22年）時点では、ホーム（上屋と駅名標も含む）、駅構内から上茶路跨線橋付近までの線路の一部、信号機、駅前広場などが比較的良好な状態で残されていました。また、軌道自転車も放置されているのが見られました。かつて存在した駅舎は2004年（平成16年）までに解体されてしまいましたが、2001年（平成13年）頃までは駅舎内に信号操作盤も残っていたといいます。駅跡のホーム周辺には木々が茂り、自然に還りつつある様子がうかがえました。放置されていた軌道自転車は、その後2011年（平成23年）に新得町の狩勝高原エコトロッコ鉄道へ移設され、再活用されています。

隣の駅

日本国有鉄道 白糠線

縫別駅 - 上茶路駅 - 下北進駅

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