下増田町

概要

下増田町（しもますだまち）は、群馬県前橋市の南東部に位置する地域です。郵便番号は379-2113が使用されており、2013年時点での総面積は約1.99平方キロメートルです。地域の大きな特徴として、その地理的な立地が挙げられます。

地理

前橋市の市街地から見て南東方向に位置する下増田町は、広瀬川と荒砥川という二つの主要な河川によってその境界の一部が形成されています。特に、町の南側ではこれらの河川が合流しており、下増田町はこの合流地点のすぐ北側、まるで両河川に挟まれるような地形の中に広がっています。このような河川に近接した環境は、かつては農業、特に水田耕作にとって重要な要素であり、地域の景観や人々の暮らしに深く関わってきたと考えられます。

歴史

下増田という地名は、江戸時代頃から存在が確認されています。この地域は、はじめ「増田町」という名称で、現在の前橋市上増田町と一つの村を形成していました。しかし、江戸時代中頃には分村が行われたとみられており、具体的には寛文8年（1668年）の「上野国郷帳」では「増田村」として記載されているのに対し、元禄15年（1702年）の「元禄郷帳」ではすでに上増田村と下増田村が別々の村として記録されていることから、この約30年ほどの間に分村が成立したと考えられています。

支配者は時代によって変遷しました。江戸時代初期、天正18年（1590年）に平岩親吉が前橋城主となった際には、下増田は前橋藩の領地となりました。その後も支配は一定せず、寛延2年（1749年）には一時的に江戸幕府直轄の天領となった時期もありました。そして、文化3年（1806年）以降は、下野国（現在の栃木県）に位置する佐野藩の領地となり、この佐野藩による支配体制は、明治維新を経て廃藩置県が行われるまで続きました。

明治時代に入り、日本の近代的な行政区画が整備されていく中で、下増田村もその影響を受けました。明治22年（1889年）4月1日に町村制が施行されると、下増田村は単独での村とはならず、周辺の村々と合併して新しい自治体を形成しました。この時合併相手となったのは、天川大島村、上大島村、下大島村、女屋村、上長磯村、東上野村、野中村、下長磯村、小屋原村、笂井村、そしてもともと一村であった上増田村であり、これらの村々とともに南勢多郡に属する新しい自治体「木瀬村」の一部となりました。

その後、明治27年（1896年）4月1日には、群馬県内の郡の再編が行われ、南勢多郡と東群馬郡が統合されて「勢多郡」が成立し、下増田町を含む旧木瀬村の地域は勢多郡に属することになりました。

昭和時代に入ると、市町村合併がさらに進みました。昭和32年（1957年）1月20日には、勢多郡に属していた木瀬村が、同じく勢多郡の荒砥村と合併し、「城南村」が誕生しました。下増田町はこの城南村の一部として位置づけられました。

そして、昭和42年（1967年）5月1日、城南村は前橋市に編入合併されました。これに伴い、下増田町は正式に「前橋市下増田町」となり、現在に至る前橋市の一部としての形が定まりました。

交通

町内には、JR東日本両毛線が通過していますが、現在のところ町域内に駅は設置されていません。かつては、この両毛線上に「下増田駅」が存在し、地域住民にとって鉄道を利用する際の拠点となっていました。しかし、この駅は1968年に一旦休止され、その後1987年には正式に廃止されるという経緯をたどりました。現在、最寄りの鉄道駅は町域外にあります。

道路交通については、北関東自動車道が町域を横断しています。これにより、広域的な高速交通ネットワークへのアクセスが可能となっています。しかし、町内を通過する主要な国道や県道はありません。

主な施設

下増田町内には、地域住民の活動や信仰に関わるいくつかの施設が存在します。

前橋市下増田運動場: 地域住民がスポーツ活動などで利用できる公共施設です。
蓮華院（前橋厄除大師）: 厄除けの寺として知られる寺院で、多くの参拝者が訪れます。
* 今宮八幡宮: 地域に根差した神社で、かつては村社という社格を有していました。

これらの施設は、下増田町におけるコミュニティ活動や精神的な拠り所となっています。

もう一度検索